近い将来、個々の患者さん特有のニーズに対応した介入法を用いる個別化した治療が一般的になります。その特長は以下の通りです。
- 予測:ヒトの生態学や病気への理解が深まるとともに、特定の病気にかかりやすい個人を識別できるバイオマーカーが順次発見されています。誰が発病するか、そしてその治療の結果をより正確に予測できる時代が間もなくやってきます。
- 予防:予測が可能になれば、型どおりとまでいかなくとも、予防の可能性が高まります。これを受けて、早期介入を重視し、不健康な状態を回避する新しい治療アプローチに基づいたこれまでとは大きく異なる医療モデルが作られるでしょう。罹患リスクのある人を診断で検出できるようになれば、近い将来であれ、数十年先であれ、医療のあり方に有意義な影響が出てくるでしょう。
- 個別化:生態学や病気に関する私たちの理解が深まるにつれ、患者さんの転帰を改善できる特定の治療薬や疾病管理が利用できるようになるでしょう。このような個別化医療により、副作用の発現の低減を期待されています。さらに、転帰の診断モニタリングを長期的かつリアルタイムで実行すれば、完全に個別化した医療の実現に寄与するでしょう。
- 参加型:技術の発達のおかげで、SNSやネット・コミュニティを通じて情報の交換や共有が楽にできるようになりました。この潮流はさらに加速し、新しいツールやプラットフォームが次々と生み出され、個々の患者さんが自分の病気に関する情報にアクセスし、それを同様の状況にいる他人と共有したり、自分の健康や病気についてより適確な管理を可能にするライフスタイルや行動様式へのヒントを得たりできるようになるでしょう。
医療費が高く、一部の慢性疾患患者さんに医療資源の多くが費やされている今日の支払いシステムはいずれ維持できなくなります。支払う経費に見合うアウトカムと医療資源をより有効にするため、さらに効果的で、個人に特化した個別化医療が必要になります。
ヤンセンは、患者固有のデータに基づいた治療法の発見・開発を目指し、最善の科学に着目し専心しています。このような未来型治療は、病気に関する深い理解に基づいており、個別化医療モデルの枠内で医療従事者、医療費支払人、そして彼らが仕える患者さんのために、実用的な情報を提供できる診断技術が発展することによって実現できます。
個別化医療の可能性をより深く理解していただくために、次の架空のケーススタディをご覧ください。