介入の機会を得るための代謝状態のモニタリングを可能にする、疫学モデルとトランスオミクスによる予測バイオマーカーでリスクを有する女性を特定することに、妊娠糖尿病(GDM)ベンチャーチームは焦点を当てています。この手法により、GDMへの進行を食い止め、妊娠中にGDMとなった母親とその子供に頻度の高い2型糖尿病(T2D)の発症を低減することができました。
「疾患阻止範囲の拡大を可能にする、慎重に見るべきポイントを模索しています。病気には複合的な作用や併存疾患がつきものです。GDMのような疾患に取り組むことはそれ自体が非常に大きな機会です。しかしそのことで、T2Dの関連リスクに影響を与える可能性のある科学的知見を収集し、それに基づいて行動を起こすことが可能となります。」
Gabriele Ronnett, M.D., Ph.D.
ディジーズ・インターセプション・アクセラレータ妊娠糖尿病ベンチャーリーダー
全世界では妊娠している女性のおよそ15%がGDMに罹患しています10。妊娠期間が終わっても、母親と子供の双方が長期間にわたってGDMによる健康への影響を受けており、罹患女性の50%以上が出産後5~10年以内にT2Dを発症しています。さらに、GDM女性の乳児では過体重や肥満となる可能性が高く、将来T2Dを発症するリスクも増加します10。最近のデータによると、重篤な後遺症が出ることが指摘されています。2007年に米国では、GDMの医療費はおよそ6億3,600万ドルにのぼり、うち母親にかかる医療費が5億9,600万ドル、新生児にかかる医療費が4,000万ドルでした11。
11 Chen, Y., Quick, WW.Cost of Gestational Diabetes Mellitus in the United States in 2007.Popul Health Manag.2009 Jun;12(3):165-74. doi:10.1089/pop.2009.12303.