世界保健機関は、母親の精神障害が公衆衛生における大きな問題となっていると述べています。もっとも懸念される疾患の1つに周産期うつ病(PND)があります。PNDベンチャーチームでは、母親と乳児の双方に疾患の影響が及ぶ前に疾患の進行を阻止するため、リスクを有する女性の特定、プロファイリングおよび追跡のスクリーニング手法を確立し、精神衛生状態の改善に取り組んでいます。
「疾患の進行阻止、すなわちリスクを特定して進行前の早期に介入を行うということを考えれば、妊娠前からでも決して早すぎることはないとわかります。周産期うつ病を阻止することで、母親の健康回復を促し、胎児の神経認知発達および母親と子供の健全な関係に良い影響を与えることができるのです。」
Kevin Wildenhaus, Ph.D.
ディジーズ・インターセプション・アクセラレータ行動科学および周産期うつ病ベンチャーリーダー
およそ10~20%の女性がPNDを発症しています5。実際に、米国のうつ病患者のうちもっとも大きな割合を占めているのは、出産年齢期の女性です5。未診断および未治療のPNDは子供をもつ女性の自殺と関連しています5。PNDの影響は母親だけでなく子供にも認められ、早産や低出生体重となるリスクは3~4倍に増加します5。医療や出産、早期介入、特別支援教育、生産性の低下など早産に関連する費用の合計は、2005年には57億ドルとなりました5。さらに、妊娠時のうつ病は胎児の脳の発達が変化し、気分障害や認知障害を発症するリスクが高まると考えられます。