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トレムフィア®、IL-23p19阻害薬として初めて成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎における皮下注導入療法に係る製造販売承認を申請

公開日: 
2025/03/06

 

トレムフィア®、IL-23p19阻害薬として初めて
成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎における
皮下注導入療法に係る製造販売承認を申請

 

潰瘍性大腸炎における皮下注又は静脈内導入療法を選択できる唯一*のIL-23p19阻害薬

本申請は、第III相ASTRO試験に基づく
主要評価項目である12週目の臨床的寛解を達成し、全ての副次評価項目も達成

 

Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は6日、トレムフィア®[一般名:グセルクマブ(遺伝子組換え)、以下「トレムフィア®」]の皮下注製剤について、中等症から重症の潰瘍性大腸炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)の寛解導入療法を効能又は効果として、製造販売承認を申請しました。

 

今回の申請は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とし、トレムフィア®による皮下注導入療法を検証した国際共同第III相ASTRO試験の結果 に基づくものです。本試験では、トレムフィア®について1回400mgを初回、4週後、8週後に皮下投与した結果、プラセボ群と比較して12週目に統計学的に有意かつ臨床的に意義のある臨床的寛解を示し、主要評価項目を達成しました1。更に、副次評価項目である内視鏡的改善及び組織学的内視鏡的粘膜改善も達成しました1。トレムフィア®のASTRO試験における安全性プロファイルについては、QUASAR試験における既知の安全性プロファイルと一貫していました1,2

 

J&J Innovative Medicine Gastroenterology Disease Area Lead, ImmunologyのEsi Lamousé-Smith, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「私たちは、潰瘍性大腸炎を対象としたASTRO試験を通じて、患者さんに様々な治療選択肢や投与方法を提供できるよう取り組んでいます。トレムフィア®は、皮下投与による導入及び維持療法を提供する初めてのIL-23p19阻害剤となる可能性があり、承認されれば、患者さんをはじめ医療従事者にも新たな治療選択肢と利便性をもたらすことが期待されます。ASTRO試験の結果は、潰瘍性大腸炎を対象としたQUASAR試験で得られたデータに加え、炎症性腸疾患におけるトレムフィアの有効性をさらに裏付けるものとなります。私たちは、今後も研究開発を通し、患者さんの生活の質の向上に寄与できるよう努めて参ります」

 

トレムフィア®は、インターロイキン(IL)-23を阻害するとともに、炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合する、初めてかつ唯一承認された完全ヒト型、dual-acting(二重作用) IL-23p19モノクローナル抗体です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージ及び樹状細胞から分泌されるサイトカインで、炎症性腸疾患をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています3,4,5,6,7

 

日本国内においてトレムフィア®は、尋常性乾癬及び乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症の治療薬として承認されています。また現在、成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎及び成人の中等症から重症の活動期クローン病に係る承認申請中です。

 

ASTRO試験(NCT05528510)について

ASTRO試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)及び/又はJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の皮下注導入療法(400mgを初回、4週後、8週後)の有効性及び安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第III相試験です。

 

患者さんは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を4週間隔で200mg皮下投与、もしくは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を8週間隔で100mg皮下投与、又はプラセボを4週間隔で皮下投与に1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。
ASTRO試験における維持用量(トレムフィア®を4週間隔で200mgもしくはトレムフィア®を8週間隔で100mg)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした第III相QUASAR試験において、静脈内導入療法後の皮下注維持療法の有効性及び安全性が評価された用量と同一でした1

 

QUASAR試験(NCT04033445)について

QUASAR試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)及び/又はJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の有効性および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第IIb/III相試験です。本試験は、第IIb用量設定導入試験、第III相寛解導入試験、第III相寛解維持試験から構成されています。

 

導入試験では、初回、4週後、8週後にトレムフィア®200mg又はプラセボを静脈内投与しました。維持試験では、トレムフィア®を4週間隔で200mg、トレムフィア®を8週間隔で100mg、もしくはプラセボを皮下投与しました2

 

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます8。また潰瘍性大腸炎の患者さんは、うつ病の発症率も高いことが分かっています。日本では、約22万人の患者さんがいると推定されています9

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について

J&Jが開発したトレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合してIL-23を阻害する医薬品として初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体です。トレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合するだけでなく、in vitroの結果において炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の膜表面に発現するCD64にも結合し膜近傍でIL-23を捕捉するdual-acting(二重作用)を有しています。

 

トレムフィア®は、2017年7月に米国で成人の中等症から重症の尋常性乾癬の治療薬として承認され、2020年7月に成人の乾癬性関節炎の治療薬としても承認されました。さらに、2024年9月に成人の中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬としても承認を取得しました。また、欧州では、全身療法の候補となる、中等症から重症の尋常性乾癬及び疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分又は不耐容の成人患者さんの乾癬性関節炎の治療薬として承認されています。日本では、尋常性乾癬及び乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症の治療薬として承認されています。

 

Johnson & Johnsonは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。

 

*2025年3月現在、日本国内において。

 

Johnson & Johnson について

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、および眼疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

 

将来に関する記述

このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びトレムフィア®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。

基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。

リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。

これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、2024年12月29日に終了した会計年度のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。

これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 


 

参考文献

  1. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab Therapy in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (ASTRO). Identifier: NCT05528510. https://clinicaltrials.gov/study/NCT05528510?term=astro&intr=guselkumab&.... Accessed October 2024.
  2. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (QUASAR). Identifier: NCT04033445. https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04033445. Accessed October 2024.
  3. Atreya R, Abreu MT, Krueger JG, et al. Guselkumab, an IL-23p19 subunit-specific monoclonal antibody, binds CD64+ myeloid cells and potentially neutralizes IL-23 produced from the same cells. Poster presented at: 18th Congress of the European Crohn’s and Colitis Organization (ECCO); March 1-4, 2023; Copenhagen, Denmark. Poster P504.
  4. Kreuger JG, Eyerich K, Kuchroo VK. Il-23 past, present, and future: a roadmap to advancing IL-23 science and therapy. Front Immunol. 2024; 15:1331217. doi:10.3389/fimmu.2024.1331217
  5. TREMFYA® Prescribing Information. Available at: https://www.janssenlabels.com/package-insert/product-monograph/prescribi... Accessed October 2024.
  6. Skyrizi® [Prescribing Information]. North Chicago, IL: AbbVie, Inc.
  7. Omvoh™ [Prescribing Information]. Indianapolis, IN: Eli Lilly and Company.
  8. Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/patientsandcaregivers/what-is-ul....
  9. J Gastroenterol. 2019 Dec;54(12):1070-1077. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31309327/