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「テクベイリ®皮下注30mg」、「同153mg」 再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を取得

公開日: 
2024/12/27

 

「テクベイリ®皮下注30mg」、「同153mg」
再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を取得

 

テクベイリ®は、BCMAとCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体1
投与前の希釈が不要な皮下注製剤

 

治療選択肢が限られた治癒困難な多発性骨髄腫の患者さんに新たな選択肢を提供

 

テクベイリ®の承認により、弊社のがん領域におけるポートフォリオの多様化を更に促進

 

Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は27日、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3を標的とする二重特異性抗体「テクベイリ®皮下注30mg」、「同153mg」[一般名:テクリスタマブ(遺伝子組換え)、以下「テクベイリ®」]について、「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能又は効果として、製造販売承認を取得しました。

 

テクベイリ®は、投与前の希釈が不要な皮下注製剤です。そして多発性骨髄腫において日本で初めてかつ唯一*の体重に応じた投与が可能なBCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体1です。科学的手法により、T細胞表面に発現するCD3受容体及び骨髄腫細胞表面に発現するBCMAの両方に結合し、免疫系を活性化させます1

 

テクベイリ®の承認は、業界においてリーディングポジションにある弊社のがん領域におけるポートフォリオを更に多様化させ、この希少な血液がんに対する治療法を研究開発するというコミットメントを強固なものにします。

 

多発性骨髄腫は、依然として治癒困難な血液がんであり、再発を繰り返し、その度に別の治療を行わなければならなくなる患者さんが多くいます1,2。そして、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療が奏効する可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にあります3

 

J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長である關口修平は、次のように述べています。「多発性骨髄腫は、生命を脅かす疾患であり、依然としてアンメットニーズの高い疾患です。今回のテクベイリ®の承認取得により、再発を繰り返す患者さんに対し、新たな治療選択肢をお届けすることができ、大変嬉しく思います。また今回の承認取得は、多様で拡大を続ける弊社のがん領域に、新たなポートフォリオが加わったことを意味するとともに、多発性骨髄腫の患者さんと医師が待ち望む治療薬の研究開発に対する弊社のコミットメントをより強固なものにしています」

 

今回の承認は、海外第I/II相MajesTEC-1試験4及び国内第I/II相MMY1002試験5,6の結果に基づくものです。両試験は、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group: IMWG)の基準に基づくテクベイリ®の全奏効率(overall response rate:ORR)、最良部分奏効(very good partial response:VGPR)、完全奏効(complete response:CR)などの有効性及び安全性を評価しています4,5,6。MajesTEC-1試験では、多発性骨髄腫における二重特異性抗体による試験としては最長となる30.4カ月のフォローアップを行いました。これらの試験において、テクベイリ®は深く持続的な奏効及び良好な安全性プロファイルを示しました4,5,6

 

MajesTEC-1試験について

MajesTEC-1試験(第I相: NCT03145181、第II相NCT04557098)は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する、成人外国人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクベイリ®の安全性と有効性を評価する第I/II相、用量漸増、単群、非盲検、多施設共同、用量拡大試験です7,8。第I相試験(NCT03145181)は、用量漸増(パート1)と用量拡大(パート2)から構成されています7。本試験では、テクベイリ®の安全性、忍容性、薬物動態及び予備的有効性を評価しました7。また第II相試験(NCT04557098)では、週1.5mg/kg皮下投与で設定された、第II相試験における推奨用量(RP2D)でのテクベイリ®の有効性について、ORRを主要評価項目として評価しました8

MajesTEC-1試験では、追跡期間中央値30.4カ月において、テクベイリ®をRP2Dで投与した患者さん(n=165)のORRが63%で、46%がCR以上を達成したことが示され、奏効は時間の経過とともに深くなることが示されました9。また奏効期間(duration of response:DOR)中央値、無増悪生存期間(progression free survival:PFS)中央値、全生存期間(overall survival:OS)中央値はそれぞれ、24.0カ月、11.4カ月、22.2カ月でした9
有害事象には、好中球減少症(全グレード、72%;グレード3又は4、66%)、貧血(全グレード、55%;グレード3又は4、38%)、血小板減少症(全グレード、42%;グレード3又は4、23%)、リンパ球減少症(全グレード、36%;グレード3又は4、35%)、感染症(全グレード、79%;グレード3又は4、55%)などがありました9。グレード5の感染症22件のうち、18件はCOVID-19によるものでした9。第I/II相MajesTEC-1試験はCOVID-19の感染拡大開始とともに始まり、RP2Dコホート165人のうちの大半(n=151、91.5%)は、2020年3月から2021年3月の間に組み入れられました。この期間は、世界的にCOVID-19の感染率と死亡率がピークに達していた時期と重なります10。なお重篤な感染症の新規発症は時間の経過とともに減少し、これは2週間隔投与への切り替え時期と一致していました(データカットオフ日:2023年8月22日)。

 

第I/II相MMY1002試験について

MMY1002試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する、成人日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクベイリ®の有効性と安全性を評価する第I/II相、用量漸増、単群、非盲検、多施設共同試験です5,6。第I相試験では、MajesTEC-1試験で特定されたRP2Dの日本人患者さんにおける安全性及び忍容性を評価しました。また第II相試験ではRP2Dの有効性を評価しました5,6
第II相MMY1002試験では、追跡期間中央値14.3か月におけるORRは76.9%であり、VGPR以上が76.9%、CR以上が65.4%、厳格な完全奏効(stringent complete response:sCR)は61.5%でした。DOR、PFS、OSの中央値は未到達であり、12か月時点のDOR率、PFS率、OS率はそれぞれ89.7%、75.2%、76.2%でした。また、微小残存病変(minimal residual disease:MRD)10-5の評価が可能であった患者さんのMRD陰性率は83.3%でした。なお安全性に関する所見は、MajesTEC-1の結果と一貫しており、安全性に関する新たなシグナルは認められませんでした(データカットオフ日:2024年4月22日)。

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます11,12。形質細胞が増殖し、がん化して骨髄腫細胞になり、多発性骨髄腫を発症します11。日本国内における2020年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,300人13で、2022年の死亡者数は約4,300人13でした。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、息切れ・倦怠感、免疫機能の低下、腎障害や血液障害などにより受診し診断されることがあります14

 

テクベイリ®について

テクベイリ®は、投与前の希釈が不要な皮下注製剤で、BCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、免疫機能を活性化し、がん細胞を死滅させます1。テクベイリ®は、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の単剤療法として、2022年8月に欧州委員会から承認を取得15しています。また2022年10月には、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得16しています。
またこれまでの2年間、全世界で14,000人以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんがテクベイリ®による治療を受けています。

*2024年12月現在、日本国内において。

 

Johnson & Johnson について

Johnson & Johnson (ジョンソン・エンド・ジョンソン、J&J)は、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、および眼疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

  1. Padala SA et al. Epidemiology, Staging, and Management of Multiple Myeloma. Med Sci (Basel). 2021;9(1):3.
  2. Rajkumar SV, Kumar S. Multiple myeloma current treatment algorithms. Blood Cancer J. 2020;10(9):94.
  3. Yong K et al. Multiple myeloma: patient outcomes in real-world practice. Br J Haematol. 2016;175(2):252–264.
  4. https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/227285
  5. https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2061200050
  6. https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04696809
  7. ClinicalTrials.gov. Dose Escalation Study of Teclistamab, a Humanized BCMA*CD3 Bispecific Antibody, in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-1). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03145181. Last accessed: November 2024.
  8. ClinicalTrials.gov. A Study of Teclistamab in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-1). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04557098. Last accessed: November 2024.
  9. Garfall, A., et al. Long-term follow-up from the phase 1/2 MajesTEC-1 trial of teclistamab in patients with relapsed/refractory multiple myeloma. 2024 ASCO Annual Meeting – American Society of Clinical Oncology. June 2024.
  10. Impact of COVID-19 on outcomes with teclistamab in patients with relapsed/refractory multiple myeloma in the phase 1/2 MajesTEC-1 study | Blood Cancer Journal
  11. Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.
  12. American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: November 2024.
  13. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1. Last accessed: November 2024.
  14. American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: November 2024.
  15. European Medicines Agency. TECVAYLI Summary of Product Characteristics. Last accessed: November 2024.
  16. https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-appro... Last accessed: November 2024