※本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。
※本プレスリリースは、12月8日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
未治療の多発性骨髄腫患者さんにおいて
DARZALEX FASPRO®をベースとするレジメンが
微小残存病変(MRD)陰性率及び無増悪生存期間を改善
第III相CEPHEUS試験の最新解析により、DARZALEX FASPRO®でMRD陰性(10-6)を達成した
患者さんの85%が4.5年後の時点で無増悪を維持していたことが示される
第III相AURIGA試験のサブグループ解析により
臨床的に意義のある患者集団で、MRD陰性化率が上昇したことが明らかに
サンディエゴ(2024年12月8日) – ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は12月8日、DARZALEX FASPRO®(ダラツムマブ<遺伝子組換え>・ボルヒアルロニダーゼ アルファ<遺伝子組換え>製剤)をベースとするレジメンが、未治療の多発性骨髄腫患者さん(移植の有無は不問)において、全微小残存病変(minimal residual disease:MRD)陰性率、持続的MRD陰性率、無増悪生存期間(progression free survival: PFS)を改善したことを示すデータを発表しました1,2。これらの結果は、第III相CEPHEUS試験のMRD解析(抄録番号362)及び第III相AURIGA試験の臨床的に意義のあるサブグループの事後解析(抄録番号675)で明らかとなり、いずれも2024年米国血液学会(ASH)年次総会で口頭発表されました。
第III相CEPHEUS試験のMRD解析のデータからは、DARZALEX FASPRO®をボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンに追加したD-VRd療法※では、VRd療法と比較して、全MRD陰性率及び持続的MRD陰性率(完全奏効以上を達成した患者さんにおいて感度閾値はいずれも10-5及び10-6)が改善し、PFSが有意に改善されたことが明らかになりました1。CEPHEUS試験は、ダラツムマブ<遺伝子組換え>を追加することで奏効の深さと期間を改善し、PFSを改善させることを示した5番目の第III相試験です1,3,4,5。
※D-VRd療法は、日本国内では現時点では未承認です。
追跡期間58.7ヵ月(中央値)の時点で、全MRD陰性率はD-VRd療法群がVRd療法群を有意に上回っていました(感度閾値10-5で60.9%、39.4%、オッズ比[OR]=2.37、95%信頼区間[CI]=1.58~3.55、P<0.0001、感度閾値10-6で46.2%、27.3%、OR=2.24、95% CI=1.48~3.40、P=0.0001)。また、D-VRd療法群では2年間の持続的MRD陰性率においても持続的な有効性を示しました(感度閾値10-5で42.1%、22.7%、感度閾値10-6で27.9%、13.6%)。さらにD-VRd療法群では、より深くかつより持続的なMRD陰性率に伴ってPFSの割合が改善する傾向が見られました。
54ヵ月時点での推定PFS率は、MRD陰性(10-6)の患者さんでは、D-VRd療法群で86.2%、VRd療法群で79%であり、MRD陽性の患者さんではそれぞれ51%、36.5%でした1。
Amsterdam University Medical Center Department of Hematologyの学部長であるSonja Zweegman, MD, PhD*は、次のように述べています。「D-VRd療法をVRd療法と比較したCEPHEUS試験の今回の解析では、全MRD陰性率及び持続的MRD陰性率のいずれもが改善し、PFSも改善の傾向が見られることが確認されました。このレジメンは、移植非適応もしくは初回治療として造血幹細胞移植が適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者さんのアウトカムを向上させる可能性があります」
維持療法レジメンにDARZALEX FASPRO®を加えることで、年齢、人種、病期、細胞遺伝学的リスクで層別した臨床的に意義のあるサブグループにおいて、MRD陰性率が改善
第III相AURIGA試験の事後解析では、試験対象の維持療法レジメンであるDARZALEX FASPRO®+レナリドミド(R)療法※※により、12ヵ月後のMRD陰性率が一貫して改善されたことが確認されました。これらの結果は、自家造血幹細胞移植後もMRD陽性であった抗CD38抗体薬による治療歴のないすべてのサブグループにおいて一貫していました。65歳以上のサブグループでは、MRD陰性率はD-R維持療法群がR単独療法群を上回りました(52.6% 、17.5%、OR=5.24、95% CI=1.86~14.74)。D-R維持療法群においてR単独療法群よりも一貫して高いMRD陰性化率が認められたサブグループは、黒人集団(n=20、60.0%、16.7%、OR=7.50、95% CI=1.85~30.34)及び白人集団(n=67)(46.3%、20.6%、OR=3.32、95% CI=1.55~7.10)でした2。
※※DARZALEX FASPRO®+レナリドミド(R)療法による維持療法は、現時点では日本国内では未承認です。
また、維持療法レジメンであるD-R療法の方が、R単独療法群に比べ、国際病期分類(the International Staging System:ISS)により定義された進行期(ステージIII)の患者さん(D-R群65.2%、R単独療法群13%、OR=12.50、95% CI=2.83~55.25)及び標準的な定義に基づく細胞遺伝学的リスクの高い患者さん(D-R群31.8%、R単独療法群6.7%、OR=6.53、95% CI=0.71~60.05)、又は改訂版の定義に基づく細胞遺伝学的リスクの高い患者さん(D-R群43.8%、R単独療法群13.3%、OR=5.06、95% CI=1.43~17.88)において、MRD陰性率が高いことが示されました2。
Johnson & Johnson Innovative Medicine Hematology Medical AffairsのVice PresidentであるImran Khan, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「歴史的に見ても、65歳以上、黒人、進行期又は高リスクの患者さんは、多発性骨髄腫による影響が大きいにも関わらず、深く持続的な奏効を期待できる治療選択肢が限られていました。これらの患者さんにおけるMRD陰性の評価は、長期の無増悪生存期間の重要な予測因子であることを示しています。今回のASHで発表されたデータは、未治療の多発性骨髄腫患者さんがMRD陰性を達成する上でDARZALEX FASPRO®が有用である可能性を強調するものです」
第III相ANDROMEDA試験の最終解析により、DARZALEX FASPRO®をベースとするレジメンが、未治療の全身性ALアミロイドーシス患者さんにおいて、統計学的に有意な全生存期間の延長をもたらすことが示された
ASHで発表された第III相ANDROMEDA試験の最終解析の結果(抄録番号891)から、DARZALEX FASPRO®とボルテゾミブ+シクロホスファミド+デキサメタゾンを併用するD-VCd療法は、より深くかつより迅速な血液学的奏効をもたらし、未治療の全身性ALアミロイドーシス(重要臓器の機能低下を伴う希少な形質細胞障害)患者さんの全生存期間(overall survival:OS)と主要な臓器機能低下-PFS(MOD-PFS)(すなわち、腎不全、心不全、血液学的進行、又は死亡)を統計学的に有意に改善したことが明らかになりました。D-VCd療法群では、進行又は死亡のリスクが56%低下しました(ハザード比[HR]=0.44、P<0.0001)。MOD-PFSの中央値は、D-VCd療法群では未達、VCd療法群では30.2ヵ月でした。また、D-VCd療法群ではVCd療法群と比較して死亡リスクが38%低下し(HR=0.62、P=0.0121)、生存期間の有意な改善が示されました。5年生存率は、D-VCd療法群で76.1%、VCd療法群で64.7%でした6。
CEPHEUS試験、AURIGA試験、及びANDROMEDA試験における安全性プロファイルは、DARZALEX FASPRO®の既知の安全性プロファイルと一貫していました。
CEPHEUS試験について
CEPHEUS試験(NCT03652064)は、移植非適応もしくは初回治療として造血幹細胞移植が適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者さんを対象に、D-VRd療法の有効性と安全性をVRd療法と比較する、現在進行中の多施設共同、無作為化、非盲検、第III相試験です。主要評価項目は、感度閾値10-5でのMRD陰性率です。副次評価項目は、PFS、1年後時点のMRD陰性率、持続的MRD陰性率、全奏効率、奏効到達期間、奏効持続期間、次ライン治療下でのPFS、OS、安全性です。この試験には13ヵ国において396人の患者さんが組み入れられました。
AURIGA試験について ※なお本試験には、日本は参加しておりません。
この無作為化試験(NCT03901963)には、未治療の多発性骨髄腫に対するフロントラインの自家造血幹細胞移植後もMRD陽性である18~79歳の患者さん200人が組み入れられました。維持療法として、ダラツムマブ<遺伝子組換え>1,800ミリグラム(mg)をレナリドミド(経口投与)と併用し、1サイクル28日として、最大36サイクル皮下投与しました。対照群の患者さんには、維持療法として、レナリドミド(経口投与)を単剤で、1サイクル28日として、最大36サイクル投与しました4。
ANDROMEDA試験について
ANDROMEDA試験(NCT03201965)は、未治療の全身性ALアミロイドーシス成人患者さんの治療として、DARZALEX FASPRO®(ダラツムマブ<遺伝子組換え>・ボルヒアルロニダーゼ アルファ<遺伝子組換え>製剤)をボルテゾミブ+シクロホスファミド+デキサメタゾンと併用するD-VCd療法の安全性と有効性をVCd療法と比較する、現在進行中の第III相、無作為化、非盲検試験です。本試験には、全身性ALアミロイドーシスと新たに診断され、測定可能な血液学的病変と1つ以上の臓器病変を有する患者さん388人が組み入れられています。主要評価項目は、intent-to-treat(ITT)解析に基づく全血液学的完全奏効率です。試験では、DARZALEX FASPRO®を1,800 mg/30,000単位の用量で、Week 1からWeek 8まで週1回、Week 9からWeek 24まで2週間に1回、そしてWeek 25から病勢進行もしくは許容できない毒性が認められるまで、又は最長2年間にわたり4週間に1回皮下投与しました。D-VCd療法を受けた患者さんのうち、投与期間が6ヵ月以上であった患者さんの割合は74%、投与期間が1年を超えた患者さんの割合は32%でした。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、骨髄内にある形質細胞と呼ばれる白血球の一種が侵される血液がんです7。多発性骨髄腫では、悪性形質細胞が増殖し、骨髄中の正常細胞が腫瘍細胞に置き換わっていきます8。多発性骨髄腫は血液がんの中では世界中で2番目に多いがんであり、依然として治癒が難しい疾患です9。2024年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています10。多発性骨髄腫の5年生存率は59.8%です。多発性骨髄腫と診断された人のなかには、最初は症状がない人もいますが、ほとんどの患者さんは、骨折や骨の痛み、赤血球数の減少、疲労感、カルシウム高値及び腎障害、又は感染症などの症状を契機に診断されます11,12。
全身性ALアミロイドーシスについて
全身性ALアミロイドーシスは、複数の臓器の機能障害を引き起こし、命にかかわることもある希少な血液疾患です。全身性ALアミロイドーシスは、骨髄が軽鎖と呼ばれる抗体の異常断片を産生し、それが凝集してアミロイドと呼ばれる物質を形成することで発症します。これらのアミロイドの塊は組織や主な臓器に蓄積し、正常な臓器機能を妨げ、最終的に臓器機能低下を引き起こします13,14。全身性ALアミロイドーシスは、最も多く見られるタイプのアミロイドーシスです。全身性ALアミロイドーシスは、心臓、腎臓、消化管、肝臓、神経系を障害することが多く、未治療のまま放置すると命にかかわる可能性があります15。診断が遅れることが多く、進行して複数の臓器(特に心臓)に影響が及ぶため予後は不良です16,17。全身性アミロイドーシスの年間発症例数は米国のみで4,500名と推定されています18。
DARZALEX FASPRO®及びDARZALEX®について
DARZALEX FASPRO® (ダラツムマブ<遺伝子組換え>・ボルヒアルロニダーゼ アルファ<遺伝子組換え>製剤)は2020年5月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、多発性骨髄腫における9つの適応症に対して承認されています。そのうちの4つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療です14。本剤は、多発性骨髄腫治療薬として承認されている唯一の抗CD38抗体薬皮下注製剤です。DARZALEX FASPRO®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼPH20と共に製剤化されています。
DARZALEX® (ダラツムマブ<遺伝子組換え>)は2015年11月に米国FDAの承認を取得し、8つの適応症に対して承認されています。そのうちの3つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療です6。
DARZALEX®は、多発性骨髄腫治療薬として承認された最初のCD38に対する抗体薬です6。DARZALEX®をベースとするレジメンは、世界中の585,000人以上の患者さん、米国のみでも239,000人以上の患者さんの治療に用いられてきました。
2012年8月、ヤンセン・バイオテックとGenmab A/Sは、ダラツムマブを開発・製造・販売するための独占的ライセンスをヤンセンに付与する契約を世界的に締結しました。
なおDARZALEX FASPRO®は、日本国内では「ダラキューロ®配合皮下注」名で販売されています。
2020年以降、National Comprehensive Cancer Network®(NCCN®)は、新たに診断された多発性骨髄腫ならびに再発及び難治性の多発性骨髄腫の治療にダラツムマブをベースとする併用レジメンを推奨してきました。新たに多発性骨髄腫と診断された移植非適応患者さんに対しては、NCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとレナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、望ましいカテゴリー1レジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾンの併用を追加的なカテゴリー1レジメンとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、シクロホスファミド及びプレドニゾンの併用を、推奨される追加的なカテゴリー2Aレジメンとして推奨しています。新たに多発性骨髄腫と診断された移植適応患者さんに対してNCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとボルテゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、追加的なカテゴリー2Aレジメンとして推奨しており、ダラツムマブとボルテゾミブ、サリドマイド及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとカルフィルゾミブ、レナリドミド及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しており、ダラツムマブとシクロホスファミド、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用を、特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しています。移植適応患者さんに対する維持療法としては、NCCN®ガイドラインは、ダラツムマブとレナリドミドの併用を、特定の状況で有用として推奨しています。再発/難治性骨髄腫については、早期再発(前治療が1~3つ)に対して、ダラツムマブとレナリドミド及びデキサメタゾンの併用、ダラツムマブとボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用、ダラツムマブとカルフィルゾミブ及びデキサメタゾンの併用、ならびにダラツムマブとポマリドミド及びデキサメタゾンの併用[レナリドミド及びプロテアソーム阻害薬(PI)1剤を含む1つの前治療の後]の、4つのダラツムマブレジメンが望ましいカテゴリー1レジメンとして記載されています。またNCCN®は、ダラツムマブとシクロホスファミド、ボルテゾミブ及びデキサメタゾンの併用を、早期再発(前治療が1~3つ)に対する追加的なカテゴリー2Aレジメンとして、またPI 1剤及び免疫調節薬1剤を含む3つ以上の前治療後の早期に再発した患者さん、またはPI及び免疫調節薬に二重抵抗性の患者さんに対する、単独療法としての特定の状況で有用なカテゴリー2Aレジメンの1つとして推奨しています。
* Sonja Zweegman氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていません。
Johnson & Johnson について
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、及び眼患領域における学術及び情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]
参考文献
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