※本プレスリリースは、10月10日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
現在、トレムフィア®は日本国内において、潰瘍性大腸炎及びクローン病に対して未承認です。
トレムフィア® (一般名:グセルクマブ)、生物学的製剤未使用および生物学的製剤抵抗性
のクローン病および潰瘍性大腸炎患者さんにおいて、良好な結果を示す
米国では、トレムフィア®は、潰瘍性大腸炎の治療薬としてFDAの承認を取得し、
クローン病の治療薬として現在承認申請の審査中
トレムフィア®は、生物学的製剤未使用および生物学的製剤抵抗性の患者さんを含むクローン病の全患者集団において、
二重盲検試験でウステキヌマブに対する優越性を示した唯一のIL-23阻害薬
潰瘍性大腸炎において、トレムフィア®は、プラセボと比較して、生物学的製剤未使用の患者さんでは1.9倍、
生物学的製剤抵抗性の患者さんでは3倍の患者さんで内視鏡的寛解を達成
オーストリア、ウィーン(現地時間2024年10月10日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは、本日、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)のデータを発表しました。本データでは、生物学的製剤未使用及び生物学的製剤抵抗性の患者さん(JAK阻害薬抵抗性の潰瘍性大腸炎患者さんを含む)のいずれにおいても高い内視鏡的寛解率を示し、腸管粘膜の正常化が認められました1,2。これらのサブグループ解析は、成人の中等症から重症の活動期クローン病を対象としたトレムフィア®の第III相GALAXI 2およびGALAXI 3試験の併合結果ならびに成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア®の第III相QUASAR寛解維持試験の結果です。これらの結果は、2024年欧州消化器病(UEG)週間で当社が発表する19件の演題に含まれます。現在トレムフィア®は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療薬として、欧州医薬品庁(EMA)によって承認申請の審査が進められています。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのVice President兼Gastroenterology Disease Area Lead ImmunologyであるEsi Lamousé-Smith(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「今回の結果は、初めて生物学的製剤の投与を受ける患者さんや、前治療で生物学的製剤に抵抗性がある難治のクローン病及び潰瘍性大腸炎の患者さんに、トレムフィア®が差別化された治療選択肢を提供できる可能性を示唆しています。トレムフィア®は、30年近くにわたる弊社の炎症性腸疾患治療におけるリーダーシップと、IL-23経路に焦点を当てたイノベーションを礎に、潰瘍性大腸炎とともに生きる患者さんのニーズに応え、症状の有意な改善と持続的な寛解の可能性を提供するものです」
生物学的製剤未使用の患者さんにおける内視鏡的寛解
第III相GALAXI 2およびGALAXI 3試験を併合したデータセットで、トレムフィア®は、生物学的製剤未使用のクローン病患者さんにおいて、48週の時点で、ウステキヌマブと比較して高い内視鏡的寛解率を示しました。内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、ウステキヌマブ群で29.8%であったのに対し、トレムフィア®100mgを8週ごとに皮下投与した群では44%、トレムフィア®200mgを4週ごとに皮下投与した群では46.1%でした1。
第III相QUASAR試験では、トレムフィア®は、生物学的製剤/JAK阻害薬未使用の潰瘍性大腸炎患者さんにおいて、44週の時点で、プラセボと比較して高い内視鏡的寛解率を示しました。内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、プラセボ群で20.4%であったのに対し、トレムフィア®100mgを8週ごとに皮下投与した群では38.1%、トレムフィア®200mgを4週ごとに皮下投与した群では41.7%でした2。
生物学的製剤/JAK阻害薬に効果不十分または忍容性不良の既往を有する患者さんにおける内視鏡的寛解
第III相GALAXI 2およびGALAXI 3試験を併合したデータセットで、トレムフィア®は、生物学的製剤抵抗性のクローン病患者さんにおいて、48週の時点で、ウステキヌマブと比較して高い内視鏡的寛解率を示しました。内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、ウステキヌマブ群で20.5%であったのに対し、トレムフィア®100mgを8週ごとに皮下投与した群では28.1%、トレムフィア®200mgを4週ごとに皮下投与した群では28.6%でした1。
第III相QUASAR試験では、トレムフィア®は、生物学的製剤/JAK阻害薬抵抗性の潰瘍性大腸炎患者さんにおいて、44週の時点で、プラセボと比較して高い内視鏡的寛解率を示しました。内視鏡的寛解を達成した患者さんの割合は、プラセボ群で8%であったのに対し、トレムフィア®100mgを8週ごとに皮下投与した群では31.2%、トレムフィア®200mgを4週ごとに皮下投与した群では23.9%でした2。
これらの試験結果は、潰瘍性大腸炎およびクローン病患者さんに対する治療を含むトレムフィア®の適応症における安全性プロファイルと一貫していました。
当社が発表する演題の一覧はこちらをご覧ください。
トレムフィア®は、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の治療薬として、2024年9月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、中等症から重症の活動期クローン病の治療薬として、現在FDAによって承認申請の審査が進められています。欧州では、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎および成人の中等症から重症の活動期クローン病の治療薬として、トレムフィア®の承認申請が行われています。
GALAXIプログラム(NCT03466411)について
GALAXIは、既存の治療薬(コルチコステロイドまたは免疫調節薬)および/または生物学的製剤(TNF阻害薬またはベドリズマブ)で効果不十分または忍容性を示さなかった中等症から重症の活動期クローン病患者さんを対象に、グゼルクマブの有効性と安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、実薬対照(ウステキヌマブ)、国際共同、多施設共同第II/III相プログラムです3。GALAXIプログラムには、第II相用量設定試験(GALAXI 1試験)および2つの独立した同一デザインの第III相検証試験(GALAXI 2およびGALAXI 3試験)1が含まれます。各GALAXI試験には、患者さんが最初に無作為に割り付けられた治療を継続するtreat-throughデザインが採用され、グゼルクマブの臨床的、内視鏡的および安全性評価項目を合計5年にわたり評価する長期延長試験が含まれます。患者さんは、導入療法としてグゼルクマブ200mgを0週時、4週時、8週時に静脈内投与し、その後維持療法としてグゼルクマブ200mgを4週ごとに皮下投与する群、導入療法としてグゼルクマブ200mgを0週時、4週時、8週時に静脈内投与し、その後維持療法としてグゼルクマブ100mgを8週ごとに皮下投与する群、生物学的製剤による実薬対照群、またはプラセボ群のいずれかに割り付けられました。プラセボに割り付けられた参加者は、12週時に臨床的改善が認められなかった場合、ウステキヌマブの投与を受けることができました。GALAXI 2およびGALAXI 3試験の統合データセット873例のうち、456例(52%)が生物学的製剤に効果不十分の既往を有する患者さん、365例(41.8%)が生物学的製剤未使用の患者さん、52例(6%)が効果不十分または忍容性不良の記録がない生物学的製剤使用経験を有する患者さんでした1。GALAXI 2およびGALAXI 3試験は、クローン病を対象に、グゼルクマブのウステキヌマブに対する優越性を示した初めての二重盲検直接比較試験です。GALAXI 2およびGALAXI 3試験を併合したすべての内視鏡的評価項目において、グゼルクマブのウステキヌマブに対する優越性が示されました。
QUASAR試験(NCT04033445)について
QUASARプログラムは、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNF阻害薬またはベドリズマブ)、および/またはJAK阻害薬(トファシチニブ)に対し効果不十分もしくは忍容性が不良であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象として、グセルクマブの有効性および安全性を評価することを目的とした後期第II/III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同プログラムです4。QUASARプログラムには、後期第II相用量設定寛解導入試験、検証的第III相寛解導入試験、および第III相無作為化投与中止後寛解維持試験が含まれます。寛解導入試験では、患者さんはグゼルクマブ200mgを0週時、4週時、8週時に静脈内投与する群またはプラセボ群のいずれかに割り付けられました。寛解維持試験では、患者さんは維持療法としてグゼルクマブ100mgを8週ごとに皮下投与する群、グゼルクマブ200mgを4週ごとに皮下投与する群、またはプラセボ群のいずれかに割り付けられました。なお、有効性、安全性、薬物動態、免疫原性、バイオマーカーは、規定された時点で評価されます。QUASAR寛解維持試験に組み入れられた患者さん568例のうち、240例(42.3%)が生物学的製剤またはJAK阻害薬に効果不十分の既往を有する患者さん、309例(54.4%)が生物学的製剤/JAK阻害薬未使用の患者さん、19例(3.3%)が効果不十分または忍容性不良の記録がない生物学的製剤/JAK阻害薬使用経験を有する患者さんでした3。
クローン病について
クローン病は炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つで、米国では約300万人、欧州では約400万人の患者さんがいると推定されています5,6。クローン病は、原因不明の消化管の慢性炎症性疾患ですが、免疫系の異常に関連している可能性があり、遺伝的素因、食事またはその他の環境要因によって引き起こされることがあります7。クローン病の症状はさまざまですが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などがあります。現在、クローン病を根治する治療法はありません。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します8。症状はさまざまで、軟便、便意切迫感、直腸出血や血便、持続的な下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます。潰瘍性大腸炎の患者さんは、うつ病の発症率も高いことが分かっています6。
トレムフィア®(グセルクマブ)について
ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したトレムフィア®は、インターロイキン(IL-23)のp19サブユニットに選択的に結合してIL-23受容体との相互作用を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体として初めて承認されました。トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州において、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、および疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性乾癬性関節炎の成人患者さんの治療薬として承認されています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、トレムフィア®の全世界における独占販売権を保有しています。詳細はwww.tremfya.comをご覧ください。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。 Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/やhttps://www.linkedin.com/company/jnjinnovativemedicine/をフォローしてください。
【本件に関するお問合せ先】
ohnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]
- Danese S, et al. Week 48 efficacy of guselkumab and ustekinumab in Crohn’s disease based on prior response/exposure to biologic therapy: Results from the GALAXI 2 & 3 Phase 3 Studies. Poster presentation (Abstract MP672) at United European Gastroenterology Week (UEGW) 2024. October 2024.
- Allegretti JR, et al. The efficacy of maintenance treatment with guselkumab in patients with moderately to severely active ulcerative colitis: Phase 3 QUASAR maintenance study results at Week 44 by biologic/Janus kinase inhibitor history. Oral presentation (Abstract OP082) at United European Gastroenterology Week (UEGW) 2024. October 2024.
- National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A study of the efficacy and safety of guselkumab in participants with moderately to severely active Crohn’s disease (GALAXI). Identifier: NCT03466411. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03466411. Accessed September 2024.
- National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (QUASAR). Identifier: NCT04033445. https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04033445. Accessed September 2024.
- Crohn’s & Colitis Foundation. Overview of Crohn’s disease. Available at: www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/overview. Accessed September 2024.
- Ng SC, et al. Worldwide incidence and prevalence of inflammatory bowel disease in the 21st century: a systematic review of population-based studies. The Lancet. 2017;390:2769-78.
- Crohn’s & Colitis Foundation. What is Crohn’s disease? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/causes. Accessed September 2024.
- Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-ulcerative-colitis. Accessed April 2024.