Skip to main content

TALVEY®とTECVAYLI®の新規併用療法、髄外病変を有する患者さんを含む3つの標準的な治療歴を有する再発又は難治性多発性骨髄腫において高い奏効率と持続的な奏効を示す

2024/10/16

 

※本プレスリリースは、日本国内において未承認の情報も含みます。予めご注意ください。

※本プレスリリースは、9月27日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

TALVEY®とTECVAYLI®の新規併用療法、髄外病変を有する患者さんを含む
3つの標準的な治療歴を有する再発又は難治性多発性骨髄腫において
高い奏効率と持続的な奏効を示す

 

第Ⅰb相RedirecTT-1試験において、TALVEY®及びTECVAYLI®それぞれの単剤療法と
一貫した安全性プロファイルを示す

 

リオデジャネイロ(2024年9月27日) – ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は9月27日、GPRC5Dを標的とする初の二重特異性抗体で、米国食品医薬品局(FDA)に承認されたTALVEY®と、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする二重特異性抗体であるTECVAYLI®(一般名:テクリスタマブ)の併用療法を評価する第Ib相RedirecTT-1試験の結果を発表しました。本試験では、髄外病変を有し、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38 モノクローナル抗体製剤の3つの標準的な治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんにおいて、高い奏効率、持続的な奏効、そしてそれぞれの単剤療法と一貫した安全性プロファイルが示されました。これらのデータは国際骨髄腫学会(Internatinal Myeloma Society:IMS)の2024年年次総会で口頭発表されました(抄録番号OA–03)。

 

Tel Aviv Sourasky Medical Center(イスラエル)のHematology InstituteのMyeloma Unit長で、治験責任医師代表でもあるYael Cohen, M.D.*は、次のように述べています。「多発性骨髄腫は進行するにつれ、治療がより困難になります。特に髄外病変を有する患者さんでは病変が骨髄以外にも広がり、多くの場合、標準的な治療法に抵抗性を示すようになります。今回の結果は、ファースト・イン・クラスの革新的な二重特異性抗体2剤による併用療法が、これらの患者さんに有望な有効性をもたらすとともに、管理可能な安全性プロファイルを有することを示しており、この併用療法は、進行性の多発性骨髄腫患者さんに対する新たな治療選択肢となる可能性があります」

 

データカットオフ時点で、44人の患者さんは第II相試験の推奨レジメンである(RP2R)TALVEY® 0.8 mg/kgとTECVAYLI® 3.0 mg/kgを隔週で投与する併用療法を受けました。その結果、追跡期間中央値18.2カ月において、全奏効率(ORR)は79.5%で、このうち完全奏効(CR)以上の割合が52.3%、18カ月での奏効持続期間(DOR)は85.9%、18カ月での無増悪生存期間(PFS)率は69.8%でした1

 

多くの場合、治療選択肢が限られている患者集団である、髄外病変(EMD;2 cm以上の骨非依存性病変が1つ以上)を有する患者さんのサブグループ解析の結果、二重特異性抗体をベースとする治療により、臨床的に意義のあるORRとDORが示されました。RP2R(n=18)では、追跡期間中央値13.6カ月において、ORRが61.1%で、このうちCR以上が33.3%、18カ月DORは81.8%、18カ月PFS率は52.9%でした1

 

TALVEY®とTECVAYLI®併用療法は、各単剤療法の既知の安全性プロファイルと一貫していました。グレード3又は4の感染症の累積発現率は、各製剤の単剤療法で認められたものよりもわずかに高かったものの、6カ月後以降は横ばいとなりました。非血液毒性は、概して低グレードであり、味覚に関する有害事象(50%)、発疹以外の皮膚症状(56.8%)、爪の障害(47.7%)などであり、血球減少症による中止例はありませんでした1

 

Johnson & Johnson Innovative Medicineの多発性骨髄腫部門Disease Area Leader兼Vice Presidentである Jordan Schecter, M.D.は、次のように述べています。「グローバルではファースト・イン・クラスの二重特異性抗体であるTALVEYとTECVAYLIは、臨床試験及び実臨床において、単剤療法としての有効性が確認されています。今回の試験では、特にEMDを有する患者さんをはじめとする、治療困難な患者さんにおけるこの併用療法の有効性と管理可能な安全性プロファイルが示されました。また今回のIMSでは、TALVEYが他の有効な治療薬と併用可能であることも示すデータも発表されています。私たちは今後もこの革新的な併用療法の研究を継続してまいります」

 

TALVEY®の併用療法に関するTRIMM-2試験のデータもIMSにて発表されました。RedirecTT-1試験の最初の試験結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の2023年年次総会で発表されています

 

RedirecTT試験について

RedirecTT-1(NCT04586426)試験は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さん(n=208)を対象とした、T細胞リダイレクト二重特異性抗体であるTALVEY®とTECVAYLI®の併用療法による、現在進行中の、第Ⅰb相、用量漸増試験です。主要目的は、第II相推奨レジメン(RP2R)とその投与スケジュールの特定、及びRP2Rの安全性の評価です。パート1では、TALVEY®とTECVAYLI®を、ダラツムマブの併用又は非併用を、初回用量漸増後に28日間サイクルで投与します。パート2では、TALVEY®+TECVAYLI®併用療法と、ダラツムマブ+TALVEY®+TECVAYLI®併用療法を、パート1で特定された第II相の推奨レジメン(RP2R)で投与します。パート3では、パート1及びパート2で選択されたRP2Rで、TALVEY®+TECVAYLI®併用療法を投与します。

 

多発性骨髄腫について

多発性骨髄腫は、骨髄内にある形質細胞と呼ばれる白血球の一種が侵される血液がんです2。 多発性骨髄腫では、これらの形質細胞ががん化して増殖し、骨髄中の正常細胞を腫瘍に置き換えていきます3。多発性骨髄腫は血液がんの中で2番目に多いがんであり、依然として治癒が難しい疾患です4。2024年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています5。多発性骨髄腫の5年生存率は59.8%です6。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球減少、倦怠感、カルシウム値の上昇、腎障害又は感染症などにより受診し診断されることがあります7,8

 

TALVEY®について ※以下は、海外における承認状況です。

TALVEY®は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む4種類以上の前治療歴を有する、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫に対するファースト・イン・クラスのGPRC5Dを標的とする二重特異性抗体として、2023年8月に、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました9。FDAによる承認以降、1,500名の患者さんにTALVEY®が投与されました。また2023年8月、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3種類以上の前治療歴を有し、最後の治療において病勢進行が認められた、成人の再発又は難治性多発性骨髄腫の治療を目的とした単剤療法として、欧州委員会(EC)から条件付き販売承認を取得しました10

 

TALVEY®は、T細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫における新規の標的で、多発性骨髄腫細胞及び非悪性形質細胞の表面、また皮膚や舌の上皮細胞などの一部の正常組織の表面に高発現するGタンパク質共役型受容体ファミリーCグループ5メンバーD(GPRC5D)に結合する二重特異性抗体です。

 

TECVAYLI®について ※以下は、海外における承認状況です。

TECVAYLI®(一般名:テクリスタマブ)は、米国では、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む4種類以上の前治療歴を有する、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対し、投与前の調整不要な皮下注射製剤として、2022年10月にFDAより承認を取得しています2。また2022年8月、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3種類以上の前治療歴があり、最後の治療以降に病勢進行が認められた、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対する単剤療法として、ECから条件付き販売承認を取得しました。2023年8月、ECはTECVAYLI®のタイプII変更申請を承認し、最低6カ月間にわたって完全奏効(CR)以上を達成した患者さんに対し、投与頻度を1.5 mg/kgの隔週投与に減らす選択肢を提供しました。

 

TECVAYLI®は、ファースト・イン・クラスのT細胞リダイレクト二重特異性抗体であり、革新的な科学的手法により、T細胞表面に発現するCD3受容体及び骨髄腫細胞及び一部の健常なB細胞系細胞の表面に発現するBCMAに結合し、免疫系を活性化します。2024年2月、米国FDA は、最低 6 カ月間 CR 以上を達成・維持した再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、TECVAYLI® の1.5 mg/kg の隔週投与(Q2W)への減量について、生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を承認しました。

 

* Dr. Yael Cohen氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていません。

 

Johnson & Johnson について

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

 

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

 

【本件に関するお問合せ先】

Johnson & Johnson Innovative Medicine コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 


 

参考文献

  1. Cohen, Y., et al. Talquetamab + teclistamab in patients with relapsed/refractory multiple myeloma: Updated phase 1b results from RedirecTT-1 with >1 year of follow-up. IMS 2024. September 27, 2024.
  2. Rajkumar SV. Multiple Myeloma: 2020 Update on Diagnosis, Risk-Stratification and Management. Am J Hematol. 2020;95(5):548-5672020;95(5):548-567. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32212178
  3. National Cancer Institute. Plasma Cell Neoplasms. Accessed July 2024. Available at: https://www.cancer.gov/types/myeloma/patient/myeloma-treatment-pdq
  4. Multiple Myeloma. City of Hope, 2022. Multiple Myeloma: Causes, Symptoms & Treatments. Accessed July 2024. Available at: https://www.cancercenter.com/cancer-types/multiple-myeloma
  5. American Cancer Society. Myeloma Cancer Statistics. Accessed July 2024. Available at: https://cancerstatisticscenter.cancer.org/types/myeloma
  6. SEER*Explorer: An interactive website for SEER cancer statistics [Internet]. Surveillance Research Program, National Cancer Institute. Accessed: June 2024. https://seer.cancer.gov/explorer/
  7. American Cancer Society. What is Multiple Myeloma? Accessed July 2024. Available at: https://www.cancer.org/cancer/multiple-myeloma/about/what-is-multiple-my...
  8. American Cancer Society. Multiple Myeloma Early Detection, Diagnosis, and Staging. Accessed July 2024. Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/multiple-myeloma/detection-diagnosis...
  9. TALVEY® U.S. Prescribing Information, August 2023.
  10. European Medicines Agency. TALVEY Summary of Product Characteristics. August 2023.