「ユバンシ®配合錠」(マシテンタン10mgとタダラフィル40mgの配合剤)、
肺動脈性肺高血圧症に係る製造販売承認を取得
1日1回服用の肺動脈性肺高血圧症を適応とした初めてかつ唯一の配合錠
有効性及び安全性プロファイルが示された2つの治療薬を1日1回服用の配合錠に
疾患管理を最適化できる可能性
Johnson & Johnsonの肺動脈性肺高血圧症ポートフォリオとして
欧州治療ガイドライン1が推奨する3大経路に属する全ての治療薬を提供することに
第III相ピボタルA DUE試験2において、主要評価項目である肺血行動態の有意な改善が示された
Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「J&J」)は24日、エンドセリン受容体拮抗薬マシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬タダラフィル40mgとの配合剤である「ユバンシ®配合錠」(以下「ユバンシ®」)について、肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension: PAH、World Health Organization [WHO、世界保健機関] Group I [PH、肺高血圧症])を効能又は効果として、製造販売承認を取得しました。
肺動脈性肺高血圧症は、肺の細かい動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより、肺動脈の血圧が高くなる指定難病です3。日本では、同疾患の指定難病受給者証を持つ患者さん(2022年度)が4,529人いると報告4されています。
欧州心臓病学会(ESC)及び欧州呼吸器学会(ERS)による肺高血圧症治療ガイドライン2022では、PAH患者さんに対して、エンドセリン受容体拮抗薬とホスホジエステラーゼ5阻害薬の併用療法が推奨されています1。
今回の承認は、国際共同第III相ピボタル試験(A DUE試験)の結果に基づくものです。本試験では、主要評価項目である投与開始16週後の肺血管抵抗(PVR)の変化比をユバンシ®投与群とマシテンタン、タダラフィルの各単剤群とを比較し、その結果ユバンシ®投与群において改善が示されました2。またユバンシ®の安全性プロファイルは、マシテンタン及びタダラフィルの安全性プロファイルと一貫していました。
J&J Innovative Medicine Japanの代表取締役社長である關口修平は次のように述べています。「今回の承認は、肺動脈性肺高血圧症の領域で、患者さんの治療や生活の改善を目指し取り組んできた私たちの実績に基づくものです。肺動脈性肺高血圧症の患者さんは、毎日複数の治療薬を服用することが多く、その服薬負担が課題となっています。この度ユバンシ®が承認されたことで、疾患管理を最適化するとともに、また、服薬アドヒアランスの向上、服薬時の負担軽減にも貢献できると期待しています」
今回の承認により、J&Jは、ESC及びERSによる肺高血圧症治療ガイドライン2022で推奨されている肺血管拡張薬のうち、一酸化窒素経路とエンドセリン経路、プロスタサイクリン経路に属する全ての治療薬を提供することになります1。
なお、ユバンシ®の医療従事者への情報提供活動については、日本新薬株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:中井亨)と共同で実施します。
A DUE試験について(NCT03904693)について
A DUE試験は、肺動脈性肺高血圧症患者さんを対象に、マシテンタンとタダラフィルの配合剤であるユバンシ®の有効性及び安全性をマシテンタン及びタダラフィルの各単剤療法と比較する二重盲検、無作為化、実薬対照、多施設共同、アダプティブ並行群間試験2です。本試験には、世界16ヵ国の76施設から、未治療又は一定用量のエンドセリン受容体拮抗薬もしくはホスホジエステラーゼ5阻害薬を3ヵ月以上投与されているWHO FC II又はIIIの肺動脈性肺高血圧症患者さんが登録されました。主要評価項目は、投与開始後16週に測定した肺血管抵抗(PVR)であり、ベースライン値に対する変化の幾何平均値の比として評価し、マシテンタンとタダラフィル投与群が、マシテンタン、タダラフィルの各単剤群より優れている場合は達成と見なされました。試験期間終了後、患者さんは24ヵ月の非盲検試験に移行されました。
肺動脈性肺高血圧症(PAH)について
PAHは、肺の細い動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより、肺動脈圧が高くなる病気です。PAHは患者さんの数が極めて少ない希少疾患であり、国から難病に指定されています。日本では、同疾患の指定難病受給者証を持つ患者さん(2022年度)が4,529人いると報告4され、近年増加傾向にあります。新規にPAHと診断された患者さん(2015~2018年度)では、60代までは女性の割合が多く、70代、80代では男女がほぼ同数になっています。肺小動脈の内腔が狭くなる原因は十分に解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的な要因、その他何らかの環境因子が関与していることがわかっています。
ユバンシ®について
ユバンシ®は、成人の肺動脈性肺高血圧症の治療薬として、エンドセリン受容体拮抗薬であるマシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬であるタダラフィル40mgを配合した、1日1回経口投与の薬剤です。
マシテンタンは患者さんの死亡や入院のリスクや発生率、入院日数を減少させることが示されており5、タダラフィルは運動耐容能の向上6が認められています。
Johnson & Johnson について
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/やhttps://www.linkedin.com/company/jnjinnovativemedicine/をフォローしてください。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]
- 2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension. https://erj.ersjournals.com/content/erj/early/2022/08/25/13993003.00879-...
- Grünig E, et al. JACC. 2024; 83(4): 473-484. DOI:10.1016/j.jacc.2023.10.045.
- 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/171
- 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/5354
- Pulido T, Adzerikho I, Channick RN, Delcroix M, Galiè N, Ghofrani HA, et al.Macitentan and morbidity and mortality in pulmonary arterial hypertension. New England Journal of Medicine 2013;369:809–818.
- Galiè N, Brundage BH, Ghofrani HA, Oudiz RJ, Simonneau G, Safdar Z, et al.Tadalafil therapy for pulmonary arterial hypertension. Circulation 2009;119: 2894–2903.