※本プレスリリースは、6月14日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
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RESONATE-2試験の結果より、慢性リンパ性白血病に対する一次治療として
イムブルビカ®(イブルチニブ)が生存期間に対し持続的な効果を示したことが
最長10年間の追跡調査で明らかに
2024年の欧州血液学会(EHA)年次総会でRESONATE-2試験の結果を発表
これは、BTK阻害剤による単剤療法でこれまでに報告されている中で最も長期にわたる
アウトカム及び安全性に関するデータであり
無増悪生存期間の中央値8.9年1が示される
3つの第III相試験の併合解析結果から、イブルチニブでの治療により、欧州の一般集団と同等の全生存期間を達成できる可能性が示された2
ベルギー、ベルセ(現地時間2024年6月14日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループのJanssen-Cilag International NV社は6月14日、第III相RESONATE-2試験の最終解析結果を発表しました。この解析では、前治療歴のない慢性リンパ性白血病(CLL)の患者さんにイムブルビカ®(一般名:イブルチニブ)単剤療法又はクロラムブシルによる治療を行ったところ、最長10年間の追跡調査で、イムブルビカ群は、クロラムブシル群に対し、無増悪生存期間及び全生存期間において有意かつ持続的な効果を示したことが明らかになりました1。このデータは、2024年6月13日から16日までスペインのマドリードで開催された2024年欧州血液学会(EHA)でポスター発表されました(ポスター番号P670)1。
治験責任医師であるNiguarda病院(イタリア、ミラノ)のAlessandra Tedeschi医師†は次のように述べています。「イブルチニブが10年以上前に初めて使用できるようになり、CLL治療の流れは大きく変わりました。そして今日においても、イブルチニブは、B細胞性腫瘍の標準治療の中心となっています。RESONATE-2試験の最終解析では、CLLにおけるあらゆる標的治療薬の中で、最も長期にわたる追跡調査により、イブルチニブの良好なベネフィット・リスク・プロファイルが長期にわたって持続することが確認され、CLL患者さんの余命を、健常な方と同程度まで延長できる可能性が示唆されました」
第III相RESONATE-2試験では、17p欠失がなく、前治療歴のない65歳以上のCLL患者さん269人が、イブルチニブ単剤群又はクロラムブシル群のいずれかに無作為に割り付けられ、最大12サイクルの治療を受けました1。最長10年間にわたり追跡調査を行ったところ、イブルチニブ群は、クロラムブシル群と比較し、無増悪生存期間(PFS)において有意かつ持続的な効果が認められました1。PFS中央値は、イブルチニブ群で8.9年、クロラムブシル群で1.3年(ハザード比[HR]:0.16、95% CI:0.11~0.22、p<0.0001)でした1。PFSは、ハイリスク遺伝子変異であるTP53変異、IGHV変異なし、11q欠失の3因子で層別したいずれの部分集団でも、イブルチニブ群の方が長期に及んでいました(HR:0.09、95% CI:0.05~0.15、p<0.0001)1。最長10年間の追跡調査の結果、全生存期間(OS)中央値はイブルチニブでは未達であり、9年時点での全生存率は68%(95% CI:58.6~75.7)でした1。10年時点で、患者さんの27%がイブルチニブによる治療を継続中であり、投与期間の中央値は6.2年(範囲:0.06~10.2)でした1。
イブルチニブは長期の治療において良好な忍容性を示し、新たな安全性シグナルは検出されませんでした1。注目すべき有害事象の発現率は、高血圧が8~9年時点で28%(n=15)、9~10年時点で26%(n=11)であり、心房細動が8~9年時点で8%(n=4)、9~10年時点で9%(n=4)でした1。治験期間全体で、イブルチニブ群の患者さん136人中34人(25%)において、投与量減量に至った有害事象(グレード不問)が認められ、この34名中28名(82%)で有害事象はすべて消失しました1。イブルチニブの中止に至った有害事象(グレード不問)の発現率は、治験期間全体で33%(n=44)、8~9年時点で13%(n=7)、9~10年時点で7%(n=3)でした1。9~10年時点で、増悪によりイブルチニブの治療を中止した患者さんはいませんでした1。
CLLの患者さんを対象としたイブルチニブによる一次治療に関する3つの第III相無作為化臨床試験の詳細な併合解析データは、EHA(ポスター番号P664)で発表されました2。併合解析に含めたのは、イブルチニブを単剤として検討したRESONATE-2(NCT01722487)試験、イブルチニブをリツキシマブと併用として検討したECOG1912(NCT02048813)試験、そしてイブルチニブをオビヌツズマブと併用して検討したiLLUMINATE(NCT02264574)試験です2,3,4,5。3試験合わせて31~89歳の患者さん、計600人がイブルチニブの投与を受けました2。世界保健機関が公表している2019年生命表による年齢層別生存確率を用いたところ、追跡調査49.7カ月(中央値)時点で、OSはイブルチニブ群の患者さんと、年齢を対応させた欧州の一般集団との間で同等(HR:1.232、95% CI:0.878-1.728、p=0.228)でした2。OSの推定値も、65歳以上のイブルチニブ群の部分集団で同等でした(HR:1.020、95% CI:0.702~1.483、p=0.916)2。OSの推定値は、イブルチニブ単剤療法を受けた患者さんで層別した場合(HR:0.931、95% CI:0.583-1.489、p=0.766)と、イブルチニブ+リツキシマブ併用療法又はイブルチニブ+オビヌツズマブ併用療法を受けた患者さんで層別した場合(HR:1.182、95% CI:0.718-1.943、p=0.511)において、年齢を対応させた欧州集団と同等でした2。これらのデータは、2023年の米国血液学会(ASH)年次総会で発表した米国での患者集団に関する過去の解析と一貫していました2,6。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのEMEA Therapeutic Area Leadで ヘマトロジー領域の責任者であるEdmond Chan MBChB, M.D.(Res)は次のように述べています。「今回の結果は、イブルチニブによる治療が、CD20抗体の併用の有無にかかわらず、欧州のCLL患者さんが、同世代集団と同等の標準余命を得られる可能性があることを示唆しています。私たちは血液がんの診断が意味するものに変革を起こすことを目標にしてきました。イブルチニブを提供できる今、私たちは医学の進歩の最前線にいることを誇りに思います」
リアル・ワールド・エビデンスのポスター発表(ポスター番号P1846)では、一次治療としてイブルチニブを投与された患者さんの投与期間(DOT)及び次治療までの期間(TTNT)にイブルチニブの減量が及ぼす潜在的な影響についても、アカラブルチニブを投与された患者さんとの比較でさらに明らかになりました7。その結果、イブルチニブの減量は、臨床効果を維持しながら忍容性を管理する上で、効果的な方法となり得ることが示唆されました7。
一次治療としてイブルチニブ単剤療法を420 mg/日の用量で開始した患者さん286人のうち、15%(n=44)が減量しました。一次治療としてアカラブルチニブ単剤療法を開始した患者さんは171人でした7。各コホートにおいて、一次治療の開始から指標日までの平均期間は167日でした7。指標日後の平均追跡調査期間は、イブルチニブ減量コホートで425日、アカラブルチニブコホートで221日でした7。一次治療期間(無治療間隔を含む)の中央値は、イブルチニブ減量コホートで21.3カ月、アカラブルチニブコホートで11.1カ月でした7。治療を中止した患者さんの割合は、イブルチニブ減量コホートで37%(n=16)、アカラブルチニブコホートで35%(n=60)であり、DOTの中央値はイブルチニブ減量コホートで未達、アカラブルチニブコホートで9.5カ月でした7。DOTはイブルチニブ減量コホートの方がアカラブルチニブコホートよりも長期でした(調整後HR:0.57、p=0.10)7。追跡調査期間中に次ラインの治療を受けた患者さんの割合は、イブルチニブ減量コホートで計16%(n=7)、アカラブルチニブコホートで計17%(n=29)であり、TTNTの中央値はいずれのコホートでも未達でした7。TTNTはイブルチニブ減量コホートの方が長期でした(調整後HR:0.61、p=0.36)7。このリアル・ワールド・エビデンスには、観察研究に通常伴う交絡バイアスの可能性があります。
Johnson & Johnson Innovative Medicineのオンコロジー領域のグローバル・メディカル・アフェアーズ本部Vice PresidentであるMark Wildgust(PhD)は次のように述べています。「今回の最新結果により、世界で最も包括的に研究されているブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤で、かつCLL治療のベースであるイブルチニブの裏付けとなるデータが、さらに確固たるものとなりました。イブルチニブが世界で初めて承認されてからの10年を振り返ると、イブルチニブはB細胞性腫瘍とともに生きることの意味を再定義した進歩の証であると言えます」
RESONATE-2について
RESONATE-2(NCT01722487)試験は、慢性リンパ白血病又は小リンパ球性白血病と診断された前治療歴のない65歳以上の患者さん(n=269)を対象として、一次治療としてのイブルチニブ単剤療法をクロラムブシルと比較した、国際、多施設共同、非盲検、第III相無作為化試験です3。患者さんはいずれかの治療に無作為に割り付けられ、イブルチニブ420 mg/日の経口投与を増悪又は忍容性が許容できない状態に至るまで(n=136)、あるいはクロラムブシルの静脈内投与を最大12サイクル(n=133、各28日間サイクルの1~15日目の初回用量0.5~0.8 mg/kg)受けました1。主要評価項目はPFS(独立審査委員会のPFS評価により定義)とし、OS、全奏効率(ORR)、及び安全性を副次評価項目としました3。
第III相RESONATE-2(NCT01722487)試験、ECOG1912(NCT02048813)試験、iLLUMINATE(NCT02264574)試験の併合解析について
世界保健機関が公表している2019年生命表による年齢層別生存確率を用いて、イブルチニブ群の患者さんのOSを、年齢を対応させたそれぞれの欧州集団の予測生存期間と比較しました2。患者さんの年齢は、無作為割付け時の年齢に基づいて対応させました2。不死時間バイアスを回避するため、5歳間隔で利用可能な確率を1日単位に変換しました2。OSはKaplan-Meier methodology法で解析し、HRは試験データとシミュレーションデータを用いたCox比例ハザードモデルより求めました2。
CLLを対象に一次治療薬としてのイブルチニブ(用量減量)とアカラブルチニブの実臨床におけるアウトカムを比較した解析について
米国の大規模な請求データベース(2018年11月21日~2023年6月30日)を用いて、成人の未治療CLL患者さんで、イブルチニブ420 mg/日単剤療法又はアカラブルチニブ単剤療法を開始した人を特定しました7。イブルチニブ群については、一次治療中に減量した患者さんを対象に含めました7。アウトカムは、イブルチニブ減量日(指標日)又はイブルチニブ減量コホートで観察された一次治療開始から減量までの期間分布を再現したアカラブルチニブ指標日から測定しました7。患者背景は、IPTW(inverse probability of treatment weighting)法により、両コホート間の均衡を取りました7。DOTは、指標日から最終処方日までの期間(処方されなかった日数が連続90日を超えるか、次ラインの治療が開始されるまでの)と定義しました7。TTNTは、指標日から次ラインの治療が開始されるまでの期間と定義しました7。IPTW加重 Kaplan-Meier曲線及びCox比例ハザードモデルを用いて、DOT及びTTNTを比較しました7。
イブルチニブについて
イブルチニブは、ヤンセン・バイオテック社とアッヴィ社の傘下にあるファーマサイクリックス社が共同開発・販売する、1日1回の経口剤です8。イブルチニブは、特定のがん細胞を含む正常及び異常なB細胞が増殖及び拡散するために必要とするブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)というタンパク質の働きを阻害します9。BTKを阻害することにより、イブルチニブは異常なB細胞を生存環境から切り離し、その増殖を抑制します10。
イブルチニブは、世界100カ国以上で承認されており、30万人近くの患者さんに使用されています11。第III相試験18試験を含め、50件以上の企業主導の臨床試験が行われており、11年以上にわたりイブルチニブの有効性と安全性を評価しています8。2021年10月に、イブルチニブはWHO(世界保健機関)の必須医薬品・診断薬リスト(EML)に掲載されました。このリストには、世界保健上の優先事項に対処しており、すべての人にとって入手可能で安価であるべき医薬品が収載されています12。
イブルチニブは、2014年に初めて欧州委員会(EC)に承認されました。これまでに承認されている適応症は次のとおりです8。以下は、日本国内の適応症ではありません。ご注意ください。
- 前治療歴のない成人のCLLに対する単剤又はリツキシマブ、オビヌツズマブ、ベネトクラクスのいずれかとの併用療法
- 1つ以上の前治療歴のある成人のCLLに対する単剤又はベンダムスチン及びリツキシマブ(BR)との併用療法
- 成人の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫(MCL)に対する単剤療法
- 1つ以上の前治療歴のある成人の原発性マクログロブリン血症(WM)に対する単剤療法又は化学免疫療法が適していない患者さんの一次治療としての単剤療法及び成人WMに対するリツキシマブとの併用療法
全有害事象一覧ならびに用法・用量、禁忌及びその他のイブルチニブ使用上の注意に関する情報については、製品概要をご参照ください。
慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは、一般的に進行の遅い白血球のがんです13。欧州におけるCLL罹患率は100,000人あたり約4.92症例で、女性よりも男性で約1.5倍多く見られます14。CLLは高齢の方に多く発症し、診断時の年齢の中央値は72歳です15。患者さんの予後はこの数十年で大きく改善したものの、増悪を繰り返すこと、治療が必要であることが、依然としてこの病気の特徴です16。再発したり、治療に対する抵抗性を示すことがあり、多くの場合、患者さんは複数ラインの治療を受けることになります17。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]
参考文献
- Burger, J., et al. Final analysis of the RESONATE-2 study: up to 10 years of follow-up of first-line ibrutinib treatment in patients with chronic lymphocytic leukemia/small lymphocytic lymphoma. Presented at 2024 European Hematology Association Hybrid Congress. Poster #P670
- Ghia, P., et al. First-line ibrutinib in patients with chronic lymphocytic leukemia demonstrates overall survival comparable to an age-matched European population. Presented at 2024 European Hematology Association Hybrid Congress. Poster # P664
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