※本プレスリリースは、6 月3 日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
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TECVAYLI®(テクリスタマブ)再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんにおいて
深く持続的な奏効を示す
新しいMajesTEC-1試験のデータ、奏効期間中央値は24カ月
隔週投与に切り替えた患者さんを含め、奏効はさらに深化1
MajesTEC-1試験とOPTec試験の個別解析で、TECVAYLI®の外来投与の可能性が示される
シカゴ(米国時間2024年6月3日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは6月3日、TECVAYLI®(一般名:テクリスタマブ)のピボタル第I/II相MajesTEC-1試験で得られた、深く持続的な奏効を示す長期データを発表しました。本試験は、トリプルクラス曝露(TCE)aの患者さんで、3ライン以上の治療歴のある再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象としています(抄録番号7540)1。これらのデータは、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会でポスター発表されました1。
また、MajesTEC-1試験(抄録番号7517)及びファースト・イン・クラスの第II相OPTec試験(抄録番号7528)から、トシリズマブの予防投与による外来でのステップアップ治療の可能性が示されるとともに、ハイリスク患者さんの初のサブグループ解析の結果(抄録番号923)が2024年欧州血液学会(EHA)総会で発表されます2,3,4。更に、TECVAYLI®によるフロントライン 治療の MajesTEC-7試験(抄録番号7506)におけるSafety run-inコホートもASCOで発表されました。
a トリプルクラス曝露(TCE)の患者さん:免疫調節薬(IMiD)、プロテアソーム阻害剤(PI)、抗CD38モノクローナル抗体製剤(mAb)による治療歴のある患者さん
アムステルダム大学メディカルセンターの血液学教授であり、MajesTEC-1試験の治験総括医師であるNiels van de Donkは、次のように述べています。「テクリスタマブは、二重特異性抗体の中で最も長期にわたる追跡調査により、治療選択肢が限られている再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんにおいて、深く持続的な奏効を示しています。MajesTEC-1試験の結果は、テクリスタマブが治療のパラダイムシフトをもたらす可能性を示しています。そして臨床試験では、テクリスタマブがより広範な患者集団において、治療と疾患管理の改善に向け大きな進歩となり得るかどうかが検討されています」
MajesTEC-1試験の結果から、追跡期間中央値30.4カ月で、第II相試験の推奨用量(RP2D)bでTECVAYLI®を投与した患者さん(n=165)の全奏効率(ORR)は63%で、患者さんの46%が完全奏効(CR)以上を達成したことが示されました1。CR以上の患者さんでは、奏効持続期間中央値、無増悪生存期間中央値、生存期間中央値は未達であり、30ヵ月時点の奏効持続期間、無増悪生存期間、全生存期間の推定率はそれぞれ61%、61%、74%でした1。治験実施計画書に従い、最低4サイクルの治療後に部分奏効以上を達成した患者さん(第I相)、又は最低6ヵ月間CR以上を維持した患者さん(第II相)には、隔週投与(2週間ごと)(Q2W)に切り替える選択肢がありました。更に、Q2W投与に切り替えた38例中37例が奏効を維持しました1。
安全性プロファイルは一貫しており、重度の感染症の新規発症は時間の経過とともに減少しました1。有害事象には、好中球減少症(全グレード、72%;グレード3又は4、66%)、貧血(全グレード、55%;グレード3又は4、38%)、血小板減少症(全グレード、42%;グレード3又は4、23%)、リンパ球減少症(全グレード、36%;グレード3又は4、35%)、感染症(全グレード、79%;グレード3又は4、55%)などがありました1。グレード5の感染症22件のうち、18件はCOVID-19によるものでした1。グレード3以上の初発の感染症が減少したのは、Q2W投与への切り替え、あるいは免疫グロブリン静注などの他の要因によるものである可能性があります1。
Johnson & Johnson Innovative Medicineのオンコロジー研究開発部 Vice PresidentのRachel Kobos(M.D.)は次のように述べています。「過去2年間で、TECVAYLI®は1万人以上の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんに投与されました。私たちは、強固な臨床データとリアルワールドエビデンスを基に、またチームの専門知識を活用することで、骨髄腫患者さんのアンメットニーズに対処し、フロントライン治療をはじめとする治療全体で投与可能な、新たな治療選択肢の開発を行うため、引き続き取り組んでいます」
b 第II相試験の推奨用量(RP2D):第I相試験(用量設定試験)で同定された薬剤の用量。
TECVAYLI®の試験では、再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象として、外来投与について検証し、外来治療も含めた、より簡便な治療アプローチを検討
TECVAYLI®の投与を受けた患者さんにおけるサイトカイン放出症候群(CRS)の軽減を目的とし、トシリズマブの予防投与について確認した、MajesTEC-1試験の一部のコホートでの追跡調査の結果も、ASCOで口頭発表されました(抄録番号7517)2。試験の結果、再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さん(n=24)に対し、TECVAYLI®投与前にトシリズマブを単回投与することで、MajesTEC-1試験の対象集団全体と比較して、CRSの発現率が65%減少したことが示されました2。この治療アプローチは、ASCOでポスター発表(抄録番号7528)された外来治療も視野に入れたTECVAYLI®の投与に関するファースト・イン・クラスの第II相多施設前向きOPTec試験で引き続き評価が行われています3。本試験は、トシリズマブの予防投与がCRSの発現率を低下させる可能性があるという予備的なエビデンスを示しています。また、これまでに新たな安全性の懸念は認められておらず、外来投与という選択肢の可能性が示唆されています3。
MajesTEC-1試験における高リスクの多発性骨髄腫患者さんの評価により、TECVAYLI®投与の臨床的有用性が示される
ハイリスクの再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に行ったTECVAYLI®のMajesTEC-1試験のサブグループ解析の結果が、EHAで発表される予定です(抄録番号923)4。試験の結果、追跡期間中央値30カ月の時点で、75歳以上の患者さん、細胞遺伝学的リスクの高い患者さん、5剤抵抗性(penta-drug refractory)の患者さんはそれぞれ全奏効率(ORR)が54%、61%、60%、CR以上の奏効を達成した割合が42%、42%、48%であり、有効性はRP2D集団全体と同程度でした4。この試験結果は、一般的に予後不良でハイリスクの特徴が見られる一部の患者さんに対する新たな治療選択肢としてのTECVAYLI®の臨床的有用性を示すものです4。サブグループにおける安全性プロファイルは、治験中に発現した有害事象の全発現率及び重症度を含め、RP2D集団と一貫していました4。
第III相MajesTEC-7試験のSafety run-inコホートのデータから、移植非適応又は移植予定のない新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんにおける、TECVAYLI®をベースとしたレジメンの初期臨床プロファイルが示された
ASCOで口頭発表(抄録番号7506)された第III相MajesTEC-7試験の、初のSafety run-in(SRI)コホートの結果からは、移植非適応又は移植予定のない、新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんにおける、TECVAYLI®をベースとした併用レジメンの予備的データが得られました5。患者さん(n=26)には、TECVAYLI®をダラツムマブ及びレナリドミド(DR)との併用療法を行いました5。追跡期間中央値13.8カ月の時点で、ORRは92%であり、23例が治療を継続していました。治験中の有害事象は組み入れられた患者さん全員で発現し、61.5%の患者さんで1サイクル目にグレード1又は2のCRSが発現しましたが、いずれも回復しています5。
MajesTEC-1試験について
MajesTEC-1試験(NCT03145181、NCT04557098)は第I/II相、単群、非盲検、マルチコホート、多施設、用量漸増試験で、3種類以上の前治療歴を有する、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクリスタマブの安全性と有効性を評価しました6,7。
本試験の第I相試験(NCT03145181)は、用量漸増(パート1)と用量拡大(パート2)の2つのパートで構成されており6、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクリスタマブの安全性、忍容性、薬物動態、予備的有効性を評価しました6。本試験の第II相試験(NCT04557098)では、1.5 mg/kgの週1回皮下投与で設定したRP2Dのテクリスタマブの有効性をORRで評価しました。
OPTec試験について
OPTec試験(NCT05972135)は、第II相、単群、非無作為化、多施設、前向き試験で、外来でのテクリスタマブのステップアップ投与レジメンに伴うCRSの発現率及び重症度の軽減を目的とした、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんにおけるトシリズマブの予防投与を評価するものです。
MajesTEC-7試験について
MajesTEC-7試験(NCT05552222)は、第III相無作為化試験であり、初回治療として自家造血幹細胞移植非適応又は移植予定のない、新たに多発性骨髄腫と診断された患者さんを対象に、テクリスタマブとダラツムマブSC及びレナリドミドの併用療法(Tec-DR)及びタルケタマブとダラツムマブSC及びレナリドミドの併用療法(Tal-DR)と、ダラツムマブSC、レナリドミド及びデキサメタゾン併用療法(DRd)を比較するものです8。
TECVAYLI®について
TECVAYLI®(一般名:テクリスタマブ)は、米国では、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む4種類以上の前治療歴を有する、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対し、希釈せずに使用可能な皮下注射製剤として、2022年10月に米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得しています2。欧州委員会(EC)は2022年8月、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬、抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3種類以上の前治療歴があり、最後の治療以降に病勢進行が認められた、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに対する単剤療法として、TECVAYLI®を条件付き販売承認(CMA)しました。2023年8月、ECはTECVAYLI®のタイプII変更申請を承認し、最低6カ月間にわたって完全奏効(CR)以上を達成した患者さんに対し、投与頻度を1.5 mg/kgの隔週投与に減らす選択肢を提供しました。TECVAYLI®は、ファースト・イン・クラスの二重特異性T細胞リダイレクト二重特異性抗体であり、革新的な科学的手法により、T細胞表面に発現するCD3受容体及び骨髄腫細胞及び一部の健常なB細胞系細胞の表面に発現するB細胞成熟抗原(BCMA)に結合し、免疫系を活性化します。2024年2月、米国FDA は、最低 6 カ月間 CR 以上を達成・維持した再発及び難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、TECVAYLI® の1.5 mg/kg の隔週投与(Q2W)への減量について、生物製剤承認一部変更申請(sBLA)を承認しました。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、骨髄内にある形質細胞と呼ばれる白血球の一種が侵される血液がんです9。多発性骨髄腫では、これらの形質細胞が変化して急速に増殖し、骨髄中の正常細胞を腫瘍に置き換えていきます10。多発性骨髄腫は血液がんの中で3番目に多いがんであり、依然として治癒が難しい疾患です11。 2024年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています12。多発性骨髄腫5年生存率は59.8%です13。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球減少、倦怠感、カルシウム値の上昇、腎障害または感染症などにより受診し診断されることがあります14,15。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。
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参考文献
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- Van de Donk, N., et al. Longer-term follow-up of patients (pts) receiving prophylactic tocilizumab (toci) for the reduction of cytokine release syndrome (CRS) in the phase ½ MajesTEC-1 study of teclistamab in relapsed/refractory multiple myeloma (RRMM). 2024 ASCO Annual Meeting – American Society of Clinical Oncology. June 2024.
- Rifkin, R., et al. OPTec: A phase 2 study to evaluate outpatient (OP) step-up administration of teclistamab (Tec), a BCMA-targeting bispecific antibody, in patients (pts) with relapsed/refractory multiple myeloma (RRMM).
- Costa, L., et al. Efficacy and safety of teclistamab in patients with relapsed/refractory multiple myeloma with high-risk features: A subgroup analysis from the phase 1/2 MajesTEC-1 study. 2024 EHA Hybrid Congress – European Hematology Association. June 2024
- Touzeau, C., et al. Safety results from the phase 3 MajesTEC-7 study in patients (pts) with transplant ineligible/not intended newly diagnosed multiple myeloma (NDMM). 2024 ASCO Annual Meeting – American Society of Clinical Oncology. June 2024.
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- Dose Escalation Study of Teclistamab, a Humanized BCMA*CD3 Bispecific Antibody, in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-1). https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03145181. Accessed June 2024.
- A Study of Teclistamab in Combination With Daratumumab and Lenalidomide (Tec-DR) and Talquetamab in Combination With Daratumumab and Lenalidomide (Tal-DR) in Participants With Newly Diagnosed Multiple Myeloma (MajesTEC-7). https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05552222. Accessed June 2024.
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