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潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)QUASAR寛解維持試験において主要評価項目及び統計学的に有意な内視鏡的寛解率を含む全ての主な副次評価項目を達成

公開日: 
2024/06/03

 

※本プレスリリースは、5月20日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

現在、トレムフィア®は日本国内において、潰瘍性大腸炎の治療薬として製造販売承認申請中です。

 

潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)
QUASAR寛解維持試験において
主要評価項目及び統計学的に有意な内視鏡的寛解率を含む
全ての主な副次評価項目を達成

 

米国ワシントン D.C(米国時間2024年5月20日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは5月20日、第III相QUASAR寛解維持試験(抄録番号759)の解析結果を初めて発表しました。本試験で、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎aの患者さんを対象に、トレムフィア®投与群とプラセボ群とを比較したところ、主要評価項目である44週時の臨床的寛解bを達成した患者さんの割合は、プラセボ群で18.9%であったのに対し、トレムフィア®(グセルクマブ)200 mgを4週ごとに皮下投与した群では50.0%(p<0.001)、トレムフィア® 100 mgを8週ごとに皮下投与した群では45.2%(p<0.001)であることが示されました1。臨床的寛解を達成した患者さんの追加解析において、2つのトレムフィア®投与群に割り付けられた患者さんは、それぞれ67%、71%と、44週時に内視鏡的寛解[Mayo内視鏡サブスコア(MES)が0]を達成し、腸管粘膜の正常化が認められました2

 

シカゴ大学 消化器内科/肝臓内科/栄養学部の部長兼主任治験責任医師であるDavid T. Rubin, M.S.fは、次のように述べています。「これらのデータは、グセルクマブが持続的な臨床的寛解をもたらし、正常化を含む内視鏡的寛解や組織学的寛解などの重要な評価項目を改善させる可能性を示唆しています。これは、炎症性腸疾患に対する新たな治療薬に求められている進歩と言えるでしょう。QUASAR寛解維持試験で44週時に得られた試験結果は、日常生活に影響を及ぼす困難な症状を抱えている潰瘍性大腸炎の患者さんにとって、グセルクマブが有望な治療薬となることを示唆しています」

 

2つのトレムフィア®投与群は9項目からなる全ての主な副次評価項目を達成しており、プラセボ群と比較して統計学的に有意差があり、臨床的に意義ある改善を示しました。なお、44週間の寛解維持試験の副次評価項目の概要は以下の通りです1

 

副次評価項目を達成した患者の割合―投与群別
副次評価項目 第III相QUASAR寛解維持試験の投与群
トレムフィア® 200mgを4週ごとに皮下投与 トレムフィア® 100mgを8週ごとに皮下投与 プラセボ(トレムフィア®の投与中止)
内視鏡的寛解[正常化(MES=0)]C 33.7%
(p<0.001)
34.6%
(p<0.001)
15.3%
内視鏡的改善g 51.6%
(p<0.001)
49.5%
(p<0.001)
18.9%
臨床的改善h 74.7%
(p<0.001)
77.7%
(p<0.001)
43.2%
組織学的・内視鏡的粘膜改善d 47.9%
(p<0.001)
43.6%
(p<0.001)
16.8%

 

1つ以上の有害事象が発現した患者さんの割合は、全投与群で同程度であり、トレムフィア® 200 mgを4週ごとに皮下投与した群で70.0%、トレムフィア® 100 mgを8週ごとに皮下投与した群で64.5%、プラセボ群で68.2%でした1。プラセボ群と比較し、2つのトレムフィア®投与群の併合で多く見られた有害事象は、COVID-19(11.2% vs. 14.1%)、潰瘍性大腸炎(11.2% vs. 29.7%)、関節痛(6.1% vs. 6.8%)でした1。また、既に承認された適応症である中等症から重症の尋常性乾癬(PsO)および乾癬性関節炎(PsA)におけるトレムフィア®の既知の安全性プロファイルと比べ、新たな安全性のシグナルは認められませんでした1,e

 

David Lee, M.D., Ph.D.(Global Therapeutic Area Head, Immunology, Johnson & Johnson)は、次のように述べています。「第III相QUASAR寛解維持試験により、現在既に治療法があるにも関わらず、体力を消耗させるような症状が続いている潰瘍性大腸炎の患者さんにとって、トレムフィア®が治療選択肢を広げる可能性が引き続き示されました。これらの知見は、潰瘍性大腸炎の標準治療を向上させるという我々のコミットメントを強調するものであり、炎症性腸疾患においてサイエンスを進歩させるという決意を更に強くするものです」

 

今回のデータは、2024年米国消化器病週間(Digestive Disease Week 2024)で弊社が発表した28の口頭発表およびポスター発表の一部であり、炎症性腸疾患における科学的研究の発展における弊社のコミットメントやリーダーシップを示すものです。

 

弊社は今年、米国や欧州をはじめとするさまざまな国や地域で、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした治療薬として、規制当局に対しトレムフィア®の承認申請を行いました。

 

用語の説明:

  • a. ベースラインのmodifiedスコアが5~9で、Mayo直腸出血サブスコアが1以上、中央評価でMayo内視鏡サブスコアが2以上と評価されたもの1
  • b. 臨床的寛解の定義は、Mayo排便回数サブスコアが0または1で、寛解導入ベースラインから増加しておらず、Mayo直腸出血サブスコアが0、Mayo内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした1
  • c. 内視鏡的寛解(正常化)の定義はMESが0の状態とした1
  • d. 組織学的・内視鏡的粘膜改善の定義は、組織学的改善(陰窩の好中球浸潤が5%未満、陰窩損傷なし、Geboesグレード分類に基づくびらん・潰瘍・肉芽組織なし)と内視鏡的改善の両方の達成とした1
  • e. 米国では、トレムフィア®は、潰瘍性大腸炎の成人患者を対象とした治療薬として現在承認申請中で、現時点では未承認。
  • f. Dr. Rubinはジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていない。
  • g. 内視鏡的改善の定義は、内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした1
  • h. 臨床的改善の定義は、modified Mayoスコアの寛解導入ベースラインからの30%以上かつ2点以下に低下し、直腸出血サブスコアがベースラインから1点以上低下しているまたは直腸出血サブスコアが0点または1点とした1

 

QUASARプログラム(NCT04033445)について

QUASARプログラムは、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、その他の生物学的製剤および/またはJAK阻害薬(TNFα阻害薬、ベドリズマブ、またはトファシチニブ)に対し効果不十分もしくは忍容性が不良であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象として、グセルクマブの選択的IL-23阻害薬としての有効性および安全性を評価することを目的とした後期第II/III相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、シームレスプログラムです3。QUASARプログラムには、後期第II相用量設定寛解導入試験、検証的第III相寛解導入試験、第III相無作為化投与中止後寛解維持試験、および計5年間の長期継続投与試験が含まれます。なお、有効性、安全性、薬物動態、免疫原性、バイオマーカーは、規定された時点で評価されます2

 

第III相無作為化投与中止後QUASAR寛解維持試験では、第II相および第III相寛解導入試験において12週間のトレムフィア®静脈内投与による寛解導入療法で臨床的改善が認められた成人患者さんが、トレムフィア® 200 mgを4週ごとに皮下投与する群、トレムフィア® 100 mgを8週ごとに皮下投与する群、またはプラセボ群(つまりトレムフィア®投与中止群)のいずれかに、1対1対1の割合で無作為に割り付けられました1。主な副次評価項目は、44週時(投与開始56週後)のステロイドフリー寛解、臨床的寛解維持、臨床的改善、症状寛解、内視鏡的改善、組織学的・内視鏡的粘膜改善、内視鏡的寛解、Inflammatory Bowel Disease Questionnaire(IBDQ)寛解および疲労反応でした1

 

潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します4。症状はさまざまで、軟便、便意切迫感、直腸出血や血便、持続的な下痢、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます。潰瘍性大腸炎の患者さんは、うつ病の発症率も高いことが分かっています3

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について

ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したトレムフィア®は、インターロイキン(IL-23)のp19サブユニットに選択的に結合してIL-23受容体との相互作用を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体として初めて承認されました5。トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州において、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、および疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性乾癬性関節炎の成人患者さんの治療薬として承認されています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、トレムフィア®の全世界における独占販売権を保有しています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. Rubin, D et al. The efficacy and safety of guselkumab as maintenance therapy in patients with moderately to severely active ulcerative colitis: Results from the Phase 3 QUASAR Maintenance Study. Oral presentation (Abstract #759) at the Digestive Disease Week (DDW) 2024. April 2024.
  2. Rubin, D et al. The Efficacy and Safety of Guselkumab as Maintenance Therapy in Patients with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Results from the Phase 3 Quasar Maintenance Study. Presented at DDW 2024, May 18-May 21.
  3. Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (QUASAR). Identifier: NCT04033445. https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04033445. Accessed May 2024.
  4. Crohn’s & Colitis Foundation. What is ulcerative colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-ulcerative-colitis. Accessed May 2024.
  5. TREMFYA® Prescribing Information. Available at: https://www.janssenlabels.com/package-insert/product-monograph/prescribi.... Accessed May 2024.