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トレムフィア®(一般名:グセルクマブ)、クローン病を対象とした第III相プログラムで、ステラーラ®(一般名:ウステキヌマブ)に対し 優越性を示す

公開日: 
2024/06/03

 

※本プレスリリースは、5月21日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

なお、トレムフィア®は日本国内において、クローン病に対して未承認です。

 

トレムフィア®(一般名:グセルクマブ)、クローン病を対象とした
第III相プログラムで、ステラーラ®(一般名:ウステキヌマブ)に対し
優越性を示す

 

GALAXI 2試験及びGALAXI 3試験を併合したすべての内視鏡的評価項目において
トレムフィア®のステラーラ®に対する優越性が示される

 

米国ワシントン D.C(米国時間2024年5月21日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは5月21日、成人の中等症から重症の活動期クローン病患者さんを対象としたトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)の初の第III相臨床試験の結果を発表しました。本試験では、トレムフィアの維持療法としての皮下投与(200 mgを4週ごとに、100 mgを8週ごとに投与)でいずれもプラセボ及びウステキヌマブに対する優越性が示されました1。本試験結果から、維持療法として上記2つのトレムフィア®投与群はプラセボ群と比較し、いずれの試験においても複合主要評価項目を達成したことが明らかになりました1,b。またトレムフィア®投与群とウステキヌマブ投与群を比較した結果、いずれの用量においても、トレムフィア®投与群は、予め規定されたすべての内視鏡的評価項目で、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されました1。これらの試験結果は、2024年米国消化器病週間(Digestive Disease Week:DDW)で、Late Breaking口頭発表として発表されました(抄録番号#1057b)1

 

GALAXI 2試験(n=508)およびGALAXI 3試験(n=513)は、クローン病を対象に、トレムフィア®のウステキヌマブに対する優越性を示した初めての二重盲検直接比較試験です1。48週時における多重性を調整した評価項目の両試験併合結果(一部のみ表示)は、以下の通りです1

 

  評価項目 トレムフィア® 200 mgを4週ごとに皮下投与
ウステキヌマブとの比較
(GALAXI2及びGALAXI3併合)
トレムフィア® 100 mgを8週ごとに皮下投与
ウステキヌマブとの比較
(GALAXI2及びGALAXI3併合)
ウステキヌマブ
内視鏡的
評価項目
内視鏡的改善d 52.7% (p<0.001) 47.9% (p=.009) 37.1%
内視鏡的寛解e 37.2% (p=0.001) 33.2% (p=0.024) 24.7%
臨床的寛解および
内視鏡的改善
47.3% (p<0.001) 41.6% (p=0.049) 33.7%
完全寛解f 33.8% (p=0.002) 29.7% (p=0.040) 22.3%
臨床的
評価項目
臨床的寛解g 70.3% (p=.058) 65.4% (p=.512) 62.9%

 

本試験の主任治験責任医師であり、カルガリー大学医学部教授のRemo Panaccione, M.D.aは、次のように述べています。「今回の結果は、体力を消耗させるような症状が続いている患者さんにとって有望なものであり、グセルクマブが今後Advanced therapyを初めて投与される患者さん、または他のAdvanced therapyで効果不十分な患者さんの新たな治療選択肢として、疾患による負担を軽減し、持続的な寛解をもたらす可能性を示唆するものです。GALAXIプログラムでは、クローン病の治療において、グセルクマブとそのIL-23を標的とするアプローチが、迅速かつ持続的な有効性をもたらす可能性を示しています」

 

トレムフィア®の安全性プロファイルは十分に検討されており、既に承認された適応症や初期の炎症性腸疾患を対象とした試験から、長年にわたる患者経験データが得られています。GALAXIプログラムにおけるグセルクマブの安全性プロファイルは、すでに承認された適応症における安全性プロファイルと一貫していました1。48週時までに1つ以上の有害事象、1つ以上の重篤な有害事象及び投与中止につながる有害事象が認められた患者数は、トレムフィア®群、プラセボ群およびウステキヌマブ群で、概ね同程度でした1。また重篤な感染症および注目すべき有害事象の発現率は、低値でした1

 

Johnson & Johnson Innovative Medicine Global Therapeutic Area Head Immunologyの David Lee, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「第III相GALAXIプログラムは、トレムフィア®とウステキヌマブを比較する、副次評価項目を用いた2つの二重盲検試験で構成されており、クローン病患者さんのニーズに対応するための弊社の取り組みと、炎症性腸疾患に関する深い科学的専門知識に加え、IL-23経路に焦点を当てたイノベーションを強調するものです。これらの結果は、中等症から重症の活動期クローン病患者さんに対し、既存治療やAdvanced therapyと比較し、トレムフィア®が有望な治療法になる可能性があることを示しています」

 

今年、ジョンソン・エンド・ジョンソングループのJanssen-Cilag International NVは、欧州医薬品庁に対し、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎および中等症から重症の活動期クローン病を対象としたトレムフィア®の適応拡大のための承認申請を行ったことを発表しました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、米国や欧州をはじめとする国や地域で、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の治療薬として、トレムフィア®の適応拡大のための承認申請を行いました。

 

用語の説明:

  • a. Panaccione氏はジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていない。
  • b. トレムフィア®は、現在クローン病の治療薬としては承認されていない。
  • c. 実薬群の患者さんは、12週時における臨床的改善にかかわらず、最初に無作為に割り付けられた治療を継続した。ただし、プラセボ群において改善が見られなかった患者さんは、盲検下でのウステキヌマブによる治療に移行した1
  • d. 内視鏡的改善の定義は、Simple Endoscopic Score in Crohn’s Disease(SES-CD)のベースラインからの改善が50%以上とする[有効性の主要解析対象集団(非奏効患者の補完)]1
  • e. 内視鏡的寛解の定義は、内視鏡サブスコアが0とする1
  • f. 完全寛解の評価項目は、臨床的寛解と内視鏡的寛解の両方を達成することとする1
  • g. 臨床的寛解の定義は、Crohn’s Disease Activity Index(CDAI)のスコアが150未満であることとする[有効性の主要解析対象集団(非奏効患者の補完)]1

 

GALAXIプログラム(NCT03466411)について

GALAXIは、既存の治療薬(免疫調節薬、コルチコステロイド)および/または生物学的製剤(TNF拮抗薬、ベドリズマブ)で効果不十分または忍容性を示さなかった中等症から重症の活動期クローン病患者さんを対象に、グゼルクマブの有効性と安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、実薬対照(ウステキヌマブ)、国際共同、多施設共同第II/III相プログラムです2。GALAXIプログラムには、第II相用量設定試験(GALAXI 1試験)および2つの独立した同一デザインの第III相検証試験(GALAXI 2およびGALAXI 3試験)が含まれます1。各GALAXI試験には、患者が最初に無作為に割り付けられた治療を継続するtreat-throughデザインが採用され、実臨床の実態を反映するとともに、グゼルクマブの臨床的、内視鏡的および安全性評価項目を合計5年にわたり評価する長期延長試験が含まれます1

 

クローン病について

クローン病は炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つで、米国では約300万人、欧州では約400万人の患者さんがいると推定されています3,4。クローン病は、原因不明の消化管の慢性炎症性疾患ですが、免疫系の異常に関連している可能性があり、遺伝的素因、食事またはその他の環境要因によって引き起こされることがあります5。 クローン病の症状はさまざまですが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などがあります。現在、クローン病を根治する治療法はありません6

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について

ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発したトレムフィア®は、インターロイキン(IL-23)のp19サブユニットに選択的に結合してIL-23受容体との相互作用を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体として初めて承認されました7。トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州において、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、および疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性乾癬性関節炎の成人患者さんの治療薬として承認されています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソンは、トレムフィア®の全世界における独占販売権を保有しています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. Panaccione, R et al. Efficacy and safety of guselkumab therapy in patients with moderately to severely active Crohn’s disease: results of the GALAXI 2 & 3 phase 3 studies. Oral presentation (Abstract #1057b) at Digestive Disease Week (DDW) 2024. May 2024.
  2. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of the Efficacy and Safety of Guselkumab in Participants With Moderately to Severely Active Crohn's Disease (GALAXI). Identifier: NCT03466411. Available at: https://clinicaltrials.gov/study/NCT03466411. Accessed April 2024.
  3. Crohn’s & Colitis Foundation. Overview of Crohn’s disease. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/overview. Accessed May 2024.
  4. Ng SC, et al. Worldwide incidence and prevalence of inflammatory bowel disease in the 21st century: a systematic review of population-based studies. The Lancet. 2017;390:2769-78.
  5. Crohn’s & Colitis Foundation. What is Crohn’s disease? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/causes. Accessed May 2024
  6. Crohn’s & Colitis Foundation. Signs and Symptoms of Crohn’s Disease. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-crohns-disease/symptoms. Accessed May 2024.
  7. TREMFYA® Prescribing Information. Available at: https://www.janssenlabels.com/package-insert/product-monograph/prescribi.... Accessed May 2024.