テクリスタマブ、再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を申請
テクリスタマブは、現在開発中のT細胞リダイレクト二重特異性抗体1
治療選択肢が限られた治癒困難な多発性骨髄腫に新たな選択肢を提供
ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「ヤンセン」)は22日、B細胞成熟抗原(BCMA)及びCD3を標的とする二重特異性抗体テクリスタマブについて、再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、製造販売承認申請を行いました。
テクリスタマブは、現在開発中の希釈せずに使用可能な皮下注製剤です。そして多発性骨髄腫において日本で初めてかつ唯一*の体重に応じた投与が可能なBCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体1で、治療選択肢が限られた治癒困難な多発性骨髄腫の治療薬として申請いたしました。
*2024年5月現在、日本国内において。
今回の申請は、海外第I/II相MajesTEC-1試験2及び国内第I/II相MMY1002試験3,4の結果に基づくものです。両試験は、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、国際骨髄腫作業部会(International Myeloma Working Group: IMWG)の基準に基づくテクリスタマブの全奏効率、最良部分奏効、完全奏効などの有効性及び安全性を評価しています2,3,4。海外第I/II相MajesTEC-1試験では、2年以上のフォローアップ期間後のデータにおいて、テクリスタマブは持続的な奏効を示し、また新たな安全性シグナルは検出されませんでした2。
多発性骨髄腫は、依然として治癒困難な血液がんであり、多くの患者さんが再発を繰り返し、再発の度に別の治療を行わなければならなくなる患者さんが多くいます1,5。そして、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療の奏効の可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にあります6。
Johnson & Johnson Innovative Medicine Oncology Therapeutic Area HeadのYusri Elsayedは、次のように述べています。「多発性骨髄腫における治療は進歩しているものの、依然としてアンメットニーズの高い疾患です。私たちは、これまで同様の危機感を持ち、新たな治療薬の開発を続けて参ります。この度の申請は、患者さんの健康に大きなインパクトをもたらす、革新的な医薬品を患者さんに提供するという私たちのコミットメントにおいて、重要な一歩です」
MajesTEC-1試験について
MajesTEC-1試験(第I相: NCT03145181、第II相NCT04557098)は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する、成人外国人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクリスタマブの安全性と有効性を評価する第I/II相、用量漸増、単群、非盲検、多施設共同、用量拡大試験です7,8。第I相試験(NCT03145181)は、用量漸増(パート1)と用量拡大(パート2)から構成されています7。本試験では、テクリスタマブの安全性、忍容性、薬物動態及び予備的有効性を評価しました7。また第II相試験(NCT04557098)では、週1.5mg/kg皮下投与で設定された、推奨される第II相試験の推奨用量(RP2D)でのテクリスタマブの有効性について、全奏効率を主要評価項目として評価しました8。
第I/II相MMY1002試験について
MMY1002試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療歴を有する、日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の患者さんを対象に、テクリスタマブの有効性と安全性を評価する第I/II相、用量漸増、単群、非盲検、多施設共同試験です3,4。第I相試験では、MajesTEC-1試験で特定された第II相試験の推奨用量(RP2D)の日本人患者さんにおける安全性及び忍容性を評価しました。また第II相試験ではRP2Dの有効性を、全奏効率を主要評価項目として評価しました3,4。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます9,10。形質細胞が増殖し、がん化して骨髄腫細胞になり、多発性骨髄腫を発症します9。日本国内における2019年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,600人11で、2020年の死亡者数は約4,200人とされています11。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、息切れ・倦怠感、免疫機能の低下、腎障害や血液障害などにより受診し診断されることがあります12。
テクリスタマブについて
テクリスタマブは、現在開発中の希釈せずに使用可能な皮下注製剤で、BCMA及びCD3を標的とするT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、免疫機能を活性化しがん細胞を死滅させます1。 テクリスタマブは、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の単剤療法として、2022年8月に欧州委員会から承認を取得13しています。また2022年10月には、成人の再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得14しています。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
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E-mail: [email protected]
参考文献
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- https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/227285
- https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2061200050
- https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04696809
- Rajkumar SV, Kumar S. Multiple myeloma current treatment algorithms. Blood Cancer J. 2020;10(9):94.
- Yong K et al. Multiple myeloma: patient outcomes in real-world practice. Br J Haematol. 2016;175(2):252–264.
- ClinicalTrials.gov. Dose Escalation Study of Teclistamab, a Humanized BCMA*CD3 Bispecific Antibody, in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-1). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03145181. Last accessed: April 2024.
- ClinicalTrials.gov. A Study of Teclistamab in Participants With Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (MajesTEC-1). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04557098. Last accessed: April 2024.
- Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.
- American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: April 2024.
- 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1 Last accessed: April 2024 - American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: April 2024.
- European Medicines Agency. TECVAYLI Summary of Product Characteristics. April 2024.
- https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-appro... Last accessed: April 2024