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潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア® (グセルクマブ)新たな第III相試験で早期の症状改善が示され77%が臨床的改善を達成

公開日: 
2023/11/13

 

※本プレスリリースは、10月23日にヤンセン米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

潰瘍性大腸炎を対象としたトレムフィア®(グセルクマブ)
新たな第III相試験で早期の症状改善が示され
77%が臨床的改善を達成

 

中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした、QUASAR寛解導入試験のデータから、12週時または24週時に臨床的に意義ある効果が示された

追加解析データでは、初回投与後1週時に臨床的改善及び症状の改善が示され、12週時まで症状が改善

 

ペンシルベニア州・スプリングハウス(米国時間2023年10月23日)– 米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンファーマ(以下、ヤンセン)は23日、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした、選択的IL-23 p19阻害剤であるトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)の有効性と安全性プロファイルを24週まで検証した第III相QUASAR寛解導入試験の新たなデータを発表しました1。同試験では、12週時または24週時に高い臨床的改善aが認められました。またすでに承認された適応症におけるトレムフィア®の既知の安全性プロファイルと比べ、新たな安全性のシグナルは認められませんでした1。また、単回静脈内投与後1週時から、患者報告アウトカムの直腸出血及び排便回数に基づく臨床的改善b及び症状の改善が認められ、12週時に3分の2以上の患者さんにおいて、臨床的改善及び症状の改善が認められました2。これらのデータは、2023年10月20~25日にバンクーバー(カナダ)で開催された米国消化器病学会 (ACG) 年次学術集会でヤンセンが発表した20の口頭発表およびポスター発表のうちの1つです。

 

同試験の責任著者で、Brigham and Women’s HospitalのCrohn’s and Colitis Center(米国、マサチューセッツ州、ボストン)のメディカルディレクターでもあるJessica R. Allegretti, M.D.は、次のように述べていますc。「潰瘍性大腸炎は、日常生活に支障を来すさまざまな症状を引き起こすおそれがある、複雑な免疫介在性疾患です。QUASAR試験の結果は、持続的かつ速やかに作用する治療選択肢としてのトレムフィア®の可能性を裏づけるものです」

 

QUASAR試験の24週時目までの累積的な臨床的改善:

  • 投与12週時における臨床的改善を達成した患者さんの割合は、トレムフィア®群(61.5 % [259/421])がプラセボ群(27.9 % [78/280])と比較して有意に高かった1
  • 投与12週時に静脈内投与*による寛解導入療法に対し臨床的改善を示さず、その後さらに12週間の皮下投与を行ったトレムフィア®群において、55 %(66/120)が24週時に臨床的改善を達成した1
  • ベースラインでトレムフィア®に無作為化された患者さんのうち77.2 %(325/421)が、12週時または24週時に累積的な臨床的改善を達成した1。生物学的製剤またはヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で効果不十分/忍容性が不良であったかどうかにかかわらず、24週時までにトレムフィア®の継続的な皮下投与によって有効性が示された1

*点滴静注剤は、日本国内では未承認です。

 

QUASAR試験の24週時目までの累積的な安全性:

  • 最終受診時までの安全性に関する所見は、12週時の結果と一貫しており、安全性に関する新たなシグナルは認められなかった1
  • トレムフィア®群 (n=586) に最も多く発現した有害事象は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)(7.2%)、貧血 (5.1%)、潰瘍性大腸炎の悪化 (4.6%)だった1

 

QUASAR試験における早期の臨床的改善及び症状の改善に関するデータ: 1週時~12週時:

  • トレムフィア®群はプラセボ群と比較し、1週時から12週時まで臨床的改善及び症状の改善が認められ、すべてのアウトカムにおいて両群の治療成績の差は明らかであった2
早期の臨床症状の改善を達成した患者さんの割合2,b
  トレムフィア® プラセボ群
1週時 (p<0.01) 28.3 % 18.9 %
2週時(p<0.01) 34.0 % 23.6 %
4週時(p<0.01) 53.2 % 30.0 %
8週時(p<0.01) 66.0 % 39.6 %
12週時(p<0.01) 71.7 % 35.0 %

 

排便回数サブスコアが0または1の患者さんの割合2,d
  トレムフィア® プラセボ群
2週時(p<0.05) 26.1 % 18.2 %
4週時(p<0.001) 41.3 % 25.4 %
8週時(p<0.001) 53.4 % 29.6 %
12週時(p<0.001) 60.1 % 31.8 %

 

直腸出血サブスコアが0の患者さんの割合2,e
  トレムフィア® プラセボ群
2週時(p<0.110) 24.2 % 19.3 %
4週時(p<0.001) 36.8 % 22.9 %
8週時(p<0.001) 55.8 % 33.2 %
12週時(p<0.001) 64.6 % 28.6 %

 

ヤンセンのバイスプレジデント兼消化器疾患領域リーダーであるJan Wehkamp, MD, PhDは、次のように述べています。「トレムフィア®は、潰瘍性大腸炎の患者さんに、臨床的に意義のある効果を早期にもたらす可能性を持つことを示し続けています。潰瘍性大腸炎の患者さんと医療従事者の皆さんに、ニーズに適した治療選択肢を提供し、寛解という目標を達成するため、私たちは炎症性腸疾患におけるトレムフィア®の研究を継続してまいります」

 

現在、炎症性腸疾患に対する治療薬としてトレムフィア®の研究が進められおり、第III相試験は被験者募集を完了し、現在進行中です2
トレムフィア®は、米国において、潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として承認されておりません。また日本国内においても、潰瘍性大腸炎に対しては未承認です。

 

用語の説明:

  • a. modified Mayoスコアのベースラインから30%以上かつ2点以上の減少で、直腸出血サブスコアのベースラインから1点以上減少、または直腸出血サブスコアが0または1と定義する2
  • b. symptomatic Mayoスコア(排便回数と直腸出血の両サブスコア合計)のベースラインからの30%以上かつ1点以上の減少で、直腸出血サブスコアのベースラインからの1点以上の減少、または直腸出血サブスコアが0または1と定義する2
  • c. Dr. Allegrettiはヤンセンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていません。
  • d. 排便回数サブスコアが0または1とは、排便習慣が正常またはほぼ正常であることを示す2
  • e. 直腸出血サブスコアが0とは、直腸出血がなくなったことを示す2

 

QUASAR 試験(NCT04033445; EudraCT 2018-004002-25)について
QUASAR試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の治療におけるトレムフィア®の有効性および安全性を評価することを目的としています。本試験を通して、トレムフィア®の長期投与について評価するとともに3,4、特定の時点における有効性、安全性、薬物動態、免疫原性、バイオマーカーも評価しています3,4。QUASAR第III相寛解導入試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)および/またはAdvanced therapy(TNFα阻害薬、ベドリズマブ、またはトファシチニブ)に対し効果不十分もしくは忍容性が不良であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象として、トレムフィア®(インターロイキン-23の p19サブユニットに選択的に結合する拮抗薬)の寛解導入薬としての有効性および安全性を評価することを目的とした無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同試験です3,4

 

潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するただれや潰瘍を形成する慢性疾患で5、過剰な免疫反応により発症します5。症状はさまざまで、軟便、便意切迫、持続的な下痢、腹痛、血便、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます5

 

トレムフィア®(グセルクマブ)について6
ヤンセンが開発したトレムフィア®は、インターロイキン(IL) -23のp19サブユニットに選択的に結合してIL-23受容体との相互作用を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体として初めて承認されました。IL-23は、炎症性腸疾患(IBD)、尋常性乾癬、関節症性乾癬などの炎症性疾患の発症に関与する重要な因子です。トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州において、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、および疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性関節症性乾癬の成人患者さんの治療薬として承認されています。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちは循環器疾患、代謝・網膜疾患、免疫疾患、感染症・ワクチン、精神・神経疾患、がん、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. Rubin, D, et al. Cumulative Response to Guselkumab Through Week 24 of Induction in Patients with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Results from the Phase 3 QUASAR Induction Study. Presented at the American College of Gastroenterology Annual Scientific Meeting, October 20-25.
  2. Lichtenstein, G, et al. Early Symptomatic Improvement With Guselkumab Induction Treatment in Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Results from the Phase 3 QUASAR Induction Study. Presented at the American College of Gastroenterology Annual Scientific Meeting, October 20-25.
  3. National Institutes of Health: Clinicaltrials.gov. A Study of Guselkumab in Participants with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (QUASAR). Identifier: NCT04033445. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04033445. Accessed October 2023.
  4. EU Clinical Trials Register: Clinicaltrialsregister.eu. A Phase 2b/3, Randomized, Double-blind, Placebo-controlled, Parallel-group, Multicenter Protocol to Evaluate the Efficacy and Safety of Guselkumab in Participants with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (QUASAR). Identifier: 2018-004002-25. Available at: https://www.clinicaltrialsregister.eu/ctr-search/trial/2018-004002-25/SE/ Accessed October 2023.
  5. Crohn’s & Colitis Foundation. What is Ulcerative Colitis? Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/what-is-ulcerative-colitis. Accessed October 2023.
  6. US Food and Drug Administration. TREMFYA Prescribing Information. Available at: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/761061s007lbl.pdf. Accessed October 2023.