ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「ヤンセン」)は23日、エンドセリン受容体拮抗薬「マシテンタン10mg」とホスホジエステラーゼ5阻害薬「タダラフィル40mg」との固定用量配合剤について、成人の肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary Arterial Hypertension:PAH)を効能又は効果として、製造販売承認を申請しました。
今回の申請は、日本及び海外で実施された第III相試験(A DUE試験)の結果に基づくものです。本試験では、PAH患者さんを対象に、マシテンタンとタダラフィルの配合剤の有効性及び安全性をマシテンタン及びタダラフィルの各単剤療法と比較しました。
ヤンセンの取締役 研究開発本部 本部長のアマナス・シャーマは次のように述べています。「肺動脈性肺高血圧症の治療では、症状をコントロールするために、作用機序の異なる複数の治療薬を併用することがあります。2つの治療薬を配合剤とすることで、PAHの患者さんに新たな治療選択肢を提供するだけでなく、服薬の負担軽減という患者さんのニーズに応え、患者さんの治療や生活に新たな変化をもたらすことが期待できます」
A DUE試験について
A DUE試験は、PAH患者さんを対象に、マシテンタンとタダラフィルの配合剤の有効性及び安全性をマシテンタン及びタダラフィルの各単剤療法と比較する二重盲検、無作為化、実薬対照、多施設共同、アダプティブ並行群間試験です。本試験には、世界16ヵ国の76施設から、未治療又は一定用量のエンドセリン受容体拮抗薬もしくはホスホジエステラーゼ5阻害薬を3ヵ月以上投与されているWHO FC II又はIIIの成人PAH患者さん計187例が登録されました。主要評価項目は、投与開始後16週に測定した肺血管抵抗(PVR)であり、ベースライン値に対する変化の幾何平均値の比として評価しています。
試験の結果、主要評価項目である肺血管抵抗(PVR)において、配合剤群は各単剤群と比較して、統計学的に有意な改善を示しました。また配合剤の安全性プロファイルは、マシテンタン及びタダラフィル各単剤の安全性プロファイルと一致していました。
マシテンタン10mgとタダラフィル40mgの配合剤について
本配合剤は、エンドセリン受容体拮抗薬であるマシテンタン10mgとホスホジエステラーゼ5阻害薬であるタダラフィル40mgを配合した、1日1回経口投与の薬剤です。
肺動脈性肺高血圧症について
肺高血圧症は、心臓から肺へ血液を送る血管(肺動脈)の血圧が高くなる病気です。原因によって5つの群に分類され、そのうちの一つが肺動脈性肺高血圧症(PAH)です。PAHは患者さんの数が極めて少ない希少疾患であり、国から難病に指定されています。日本では約4,230人の患者さん(2020年度)がいると推計され、近年増加傾向にあります1。新規にPAHと診断された患者さん(2015~2018年度)では、60代までは女性の割合が多く、70代、80代では男女がほぼ同数になっています1。PAHは、肺の細い動脈(肺小動脈)の内側の空間(内腔)が狭くなり、心臓から肺に送られる血液が流れにくくなることにより肺動脈圧が高くなる病気です。肺小動脈の内腔が狭くなる原因は十分に解明されていませんが、免疫の異常や遺伝的な要因、その他何らかの環境因子が関与していることがわかっています。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちは循環器疾患、代謝・網膜疾患、免疫疾患、感染症・ワクチン、精神・神経疾患、がん、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
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参考文献
- 「難病情報センター」ホームページ https://www.nanbyou.or.jp/entry/171(2023年9月12日閲覧)