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RYBREVANT®(アミバンタマブ[遺伝子組換え])と化学療法の併用療法が 新たに診断されたEGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん患者さんの 無増悪生存期間において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示す

公開日: 
2023/07/31

 

※本プレスリリースは、7月17日にヤンセン米国本社が発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。

 

RYBREVANT®(アミバンタマブ[遺伝子組換え])と化学療法の併用療法が
新たに診断されたEGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん患者さんの
無増悪生存期間において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示す

 

アンメットニーズの高いEGFRエクソン20挿入変異を有する新たに診断された
非小細胞肺がん患者さんに対し、標準治療と比較して臨床的に意義のある結果を初めて示した
RYBREVANT®の第III相試験

ニュージャージー州ラリタン(米国時間2023年7月17日) - 米国ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンファーマ(以下、ヤンセン)は17日、新たに診断された上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を有する進行性または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象として、RYBREVANT®(アミバンタマブ[遺伝子組換え]、以下、アミバンタマブ)と化学療法(カルボプラチン + ペメトレキセド)の併用を評価した第III相PAPILLON試験の、主要な結果を発表しました。第III相PAPILLON試験は、RYBREVANT®では初めての後期臨床試験であり、新たに診断されたEGFRエクソン20挿入変異を有するNSCLC患者さんにおける臨床的意義を評価する初の無作為化試験です1,2。米国において、RYBREVANT®は、第I相CHRYSALIS試験の結果をもとに、プラチナ製剤による化学療法の実施中または実施後に病勢が進行した、EGFRエクソン20挿入変異を有する局所進行性または転移性NSCLC成人患者さんに対して迅速承認されており、本試験はその検証的試験として位置づけられています。

第III相PAPILLON試験は、主要評価項目であるRYBREVANT®と化学療法併用群の無増悪生存期間(PFS)において、化学療法単独群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。RYBREVANT®と化学療法の併用における安全性プロファイルは、各レジメンの安全性プロファイルと一貫していました1。ヤンセンは、これらの結果を今後の学術集会で発表する予定です。

ヤンセン・リサーチ&ディベロップメント、オンコロジー領域部門グローバル責任者を務めるPeter Lebowitz(M.D.,Ph.D.)は以下のように述べています。「PAPILLON試験の結果は、EGFR エクソン20挿入変異を有するNSCLC患者さんの治療において、RYBREVANT®と化学療法を併用することの有効性を支持するものです。RYBREVANT®は、米国においてEGFRエクソン20挿入変異を有する再発または難治性のNCSLC患者さんを対象として承認された初めての治療薬です。このような患者さんは、依然としてアンメットニーズを抱えています。本第III相試験は、EGFR変異を有するNSCLC患者さんを対象とした、RYBREVANT®をベースとしたレジメンの評価を目的として進行中の、複数のピボタル試験のうち結果が得られた最初の試験です」

PAPILLON(NCT04538664)試験は、新たに診断されたEGFRエクソン20挿入変異を有する進行性または転移性NSCLC患者さんを対象として、RYBREVANT®と化学療法を併用した場合の有効性および安全性を化学療法単独群と比較評価する、無作為化、非盲検、第III相試験です。本試験の主要評価項目は、盲検化独立中央評価(BICR)により評価したPFS(RECIST v1.1ガイドライン※1に基づく)です。副次評価項目には、全奏効率(ORR)、最初の治療の後に行った治療後のPFS、病勢進行までの期間、全生存期間(OS)が含まれます。化学療法単独群の患者さんは病勢進行が確認された後、二次治療においてRYBREVANT®単独療法を受けることが認められました1

RYBREVANT®について ※日本国内では未承認です。
RYBREVANT®(アミバンタマブ)は、米国食品医薬品局(FDA)が承認した検査によりEGFRエクソン20挿入変異が検出された局所進行性または転移性NSCLC成人患者さんにおいて、プラチナ製剤による化学療法の実施中または実施後に病勢が進行した場合の治療薬として、2021年5月にFDAより迅速承認を取得しました2。この適応は、ORRおよび奏効期間に基づき、迅速承認制度のもとで承認を受けました。本適応に対する承認の継続条件は、検証的試験において臨床的有用性を検証および記述することです。RYBREVANT®は、欧州のほか、その他の複数の国や地域において承認を取得しています。

NSCLCのNCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines®※2では、EGFRエクソン20挿入変異の検出にはPCRベースよりNGSベースの検査技法が望ましいとされており、免疫療法の併用に関わらずプラチナ製剤による化学療法の実施中または実施後に病勢が進行し、EGFRエクソン20挿入変異を有する進行性NSCLC患者さんに対しては、後治療の選択肢としてアミバンタマブ(RYBREVANT®)をカテゴリー2Aで推奨するとしています3 ※3,4

第III相PAPILLON試験に加え、以下に記載するNSCLCの患者さんを対象とする複数の臨床試験において、RYBREVANT®の評価を行っています。

  • 第III相MARIPOSA(NCT04487080)試験は、EGFRエクソン19欠失(ex19del)変異またはL858R変異を有する局所進行性または転移性NSCLC患者さんの一次治療において、RYBREVANT®と新規第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるラゼルチニブメシル酸塩水和物(以下、ラゼルチニブ)の併用療法を、オシメルチニブ、およびラゼルチニブ単独療法と比較評価する試験です4
  • 第III相MARIPOSA-2(NCT04988295)試験は、オシメルチニブ投与中または投与後に病勢が進行したEGFR ex19del変異またはEGFR L858R変異を有する局所進行性または転移性NSCLC患者さんを対象として、RYBREVANT®(ラゼルチニブ併用および非併用)とカルボプラチン + ペメトレキセドを併用した場合の有効性をカルボプラチン + ペメトレキセドと比較評価する試験です5
  • 第I相CHRYSALIS(NCT02609776)試験は、進行性NSCLC患者さんを対象としてRYBREVANT®を評価する試験です6
  • 第I/Ib相CHRYSALIS-2(NCT04077463)試験は、EGFR変異を有する進行性NSCLC患者さんを対象として、RYBREVANT®とラゼルチニブの併用療法、およびラゼルチニブ単独療法を評価する試験です7
  • 第I相PALOMA(NCT04606381)試験は、安全性および薬物動態に基づきアミバンタマブの皮下投与の実行可能性を評価し、アミバンタマブ皮下投与の投与量、投与レジメンおよび薬剤組成を決定するための試験です8
  • 第II相PALOMA-2(NCT05498428)試験は、EGFR変異を有するNSCLCを含む進行性または転移性固形がん患者さんを対象として、アミバンタマブ皮下投与を評価する試験です9
  • 第III相PALOMA-3(NCT05388669)試験は、EGFR変異を有する進行性または転移性NSCLC患者さんを対象として、ラゼルチニブとアミバンタマブ皮下投与の併用療法をアミバンタマブ静脈内投与と比較評価する試験です10
  • 第I/II相METalmark(NCT05488314)試験は、局所進行性または転移性NSCLC患者さんを対象として、RYBREVANT®とカプマチニブの併用療法を評価する試験です11
  • 第I/II相PolyDamas(NCT05908734)試験は、局所進行性または転移性NSCLC患者さんを対象として、RYBREVANT®とcetrelimabの併用療法を評価する試験です12
  • 第II相SKIPPirr(NCT05663866)試験は、再発性または難治性でEGFR変異を有する進行性または転移性NSCLC患者さんを対象とするRYBREVANT®とラゼルチニブの併用療法において、初回投与に伴うインフュージョンリアクションの発現率および/または重症度を低減する方法を探索する試験です13

詳しくは、https://www.RYBREVANT.comをご覧ください。

非小細胞肺がんについて

世界的に見て肺がんは最も一般的ながんの1つであり、すべての肺がんのうちNSCLCは80〜85%を占めます14,15。NSCLCの主なサブタイプには、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんがあります16。NSCLCにおける最も一般的なドライバー遺伝子変異は、細胞の増殖や分裂をコントロールする受容体型チロシンキナーゼであるEGFRの変異です17。組織学的サブタイプが腺がんであるNSCLCの場合、欧米人患者の10〜15%、アジア人患者の40〜50%にEGFR変異が認められます16-22
EGFR ex19del変異またはEGFR L858R変異は、EGFR変異の中で最も一般的な変異です23。EGFR変異を有する進行性NSCLC患者さんでEGFR TKI治療歴のある患者さんの5年生存率は20%未満です24,25。EGFRエクソン20挿入変異は、3番目に多いEGFRを活性化する変異です26。実臨床におけるEGFRエクソン20挿入変異を有する患者さんの5年生存率は8%であり、EGFR ex19del変異またEGFR L858R変異を有する患者さんの19%と比べ低い値となっています27

※1 RECIST(version 1.1)とは、Response Evaluation Criteria in Solid Tumorsのことで、固形がんに対する治療効果を評価するための標準的な方法であり、腫瘍が縮小したか、同じ大きさか、増大したかに基づき評価します。

※2 NCCNの内容は医学的な助言を意味するものではなく、有資格の開業医による専門的・医学的な助言、診断または治療を求める代わりに使用するべきではありません。NCCNは、特定の患者さんのケアまたは治療に対するNCCNの内容の妥当性または適用可能性についていかなる表明も保証も行わず、これらを明確に否認します。

※3 その他の治療選択肢を含め、詳細な推奨事項についてはNCCNガイドラインをご参照ください。

※4 NSCLCのNCCNガイドラインでは、検査すべき特定の各バイオマーカーについて、ならびに検査技法について推奨事項を提示していますが、特定の市販バイオマーカーアッセイや民間検査機関を推奨するものではありません。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちは循環器疾患、代謝・網膜疾患、免疫疾患、感染症・ワクチン、精神・神経疾患、がん、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。

ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]

 

参考文献

 

  1. ClinicalTrials.gov. A Study of Combination Amivantamab and Carboplatin-Pemetrexed Therapy, Compared With Carboplatin-Pemetrexed, in Participants With Advanced or Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer Characterized by Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Exon 20 Insertions (PAPILLON). Available at:
    https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04538664. Accessed July 2023.
  2. RYBREVANT® Prescribing Information. Horsham, PA: Janssen Biotech, Inc.
  3. Referenced with permission from the NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®) for Non- Small Cell Lung Cancer V.3.2022.© National Comprehensive Cancer Network, Inc. 2022. All rights reserved.
    Accessed March 22, 2023. To view the most recent and complete version of the guideline, go online to NCCN.org.
  4. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab and Lazertinib Combination Therapy Versus Osimertinib in Locally Advanced or Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer (MARIPOSA). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04487080. Accessed July 2023.
  5. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab and Lazertinib in Combination With Platinum-Based Chemotherapy Compared With Platinum-Based Chemotherapy in Patients With Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR)-Mutated Locally Advanced or Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer After Osimertinib Failure (MARIPOSA-2). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04988295. Accessed July 2023.
  6. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab, a Human Bispecific EGFR and cMet Antibody, in Participants With Advanced Non-Small Cell Lung Cancer (CHRYSALIS). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02609776. Accessed July 2023.
  7. ClinicalTrials.gov. A Study of Lazertinib as Monotherapy or in Combination With Amivantamab in Participants With Advanced Non-small Cell Lung Cancer (CHRYSALIS-2). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04077463. Accessed July 2023.
  8. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab Subcutaneous (SC) Administration for the Treatment of Advanced Solid Malignancies (PALOMA). Available at:
    https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04606381. Accessed May 2023.
  9. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab in Participants With Advanced or Metastatic Solid Tumors Including Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR)-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer (PALOMA-2). Available at:
    https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05498428. Accessed July 2023.
  10. ClinicalTrials.gov. A Study of Lazertinib With Subcutaneous Amivantamab Compared With Intravenous Amivantamab in Participants With Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR)-Mutated Advanced or Metastatic Non- small Cell Lung Cancer (PALOMA-3). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05388669. Accessed July 2023.
  11. ClinicalTrials.gov. A Study of Amivantamab and Capmatinib Combination Therapy in Unresectable Metastatic Non-small Cell Lung Cancer (METalmark). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05488314. Accessed July 2023.
  12. ClinicalTrials.gov. A Study of Combination Therapy With Amivantamab and Cetrelimab in Participants With Metastatic Non-small Cell Lung Cancer (PolyDamas). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/study/NCT05908734?term=polydamas&rank=1. Accessed July 2023.
  13. ClinicalTrials.gov. Premedication to Reduce Amivantamab Associated Infusion Related Reactions (SKIPPirr). Available at: https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05663866. Accessed July 2023.
  14. The World Health Organization. Cancer. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/cancer. Accessed July 2023.
  15. American Cancer Society. What is Lung Cancer?
    https://www.cancer.org/cancer/types/lung-cancer/about/what-is.html Accessed July 2023.
  16. Oxnard JR, et al. Natural history and molecular characteristics of lung cancers harboring EGFR exon 20 insertions. J Thorac Oncol. 2013 Feb;8(2):179-84. doi:
    10.1097/JTO.0b013e3182779d18.
  17. Bauml JM, et al. Underdiagnosis of EGFR Exon 20 Insertion Mutation Variants: Estimates from NGS-based Real World Datasets. Abstract presented at: World Conference on Lung Cancer Annual Meeting; January 29, 2021; Singapore.
  18. Riess JW, et al. Diverse EGFR exon 20 insertions and co-occurring molecular alterations identified by comprehensive genomic profiling of NSCLC. J Thorac Oncol. 2018;13(10):1560-1568. doi:10.1016/j.jtho.2018.06.019.
  19. Pennell NA, et al. A phase II trial pf adjuvant erlotinib in patients with resected epidermal growth factor receptor- mutant non-small cell lung cancer. J Clin Oncol. 37:97-104.
  20. Burnett H, et al. Epidemiological and clinical burden of EGFR exon 20 insertion in advanced non-small cell lung cancer: a systematic literature review. Abstract presented at: World Conference on Lung Cancer Annual Meeting; January 29, 2021; Singapore.
  21. Zhang YL, et al. The prevalence of EGFR mutation in patients with non-small cell lung cancer: a systematic review and meta-analysis. Oncotarget. 2016;7(48):78985-78993.
  22. Midha A, et al. EGFR mutation incidence in non-small-cell lung cancer of adenocarcinoma histology: a systematic review and global map by ethnicity. Am J Cancer Res. 2015;5(9):2892-2911.
  23. American Lung Association. EGFR and Lung Cancer. https://www.lung.org/lung-health-diseases/lung-disease- lookup/lung-cancer/symptoms-diagnosis/biomarker-testing/egfr. Accessed July 2023.
  24. Howlader N, et al. SEER Cancer Statistics Review, 1975-2016, National Cancer Institute. Bethesda, MD, https://seer.cancer.gov/csr/1975_2016/, based on November 2018 SEER data submission, posted to the SEER web site.
  25. Lin JJ, et al. Five-Year Survival in EGFR-Mutant Metastatic Lung Adenocarcinoma Treated with EGFR-TKIs. J Thorac Oncol. 2016 Apr;11(4):556-65.
  26. Arcila, M. et al. EGFR exon 20 insertion mutations in lung adenocarcinomas: prevalence, molecular heterogeneity, and clinicopathologic characteristics. Molecular Cancer Therapeutics. 2013; Feb; 12(2):220-9.
  27. Girard N, et al. Comparative clinical outcomes for patients with NSCLC harboring EGFR exon 20 insertion mutations and common EGFR mutations. Abstract presented at: World Conference on Lung Cancer Annual Meeting; January 29, 2021; Singapore.