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BCMAを標的とするCAR-T細胞製品cilta-celの 再発又は難治性の多発性骨髄腫に係る製造販売承認を申請

公開日: 
2021/12/07

 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平、以下「ヤンセン」)は6日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)製品であるciltacabtagene autoleucel (cilta-cel)について、3ライン以上の前治療歴を有し、かつプロテアソーム阻害剤、免疫調節薬および抗CD38抗体の治療歴を有する再発又は難治性多発性骨髄腫の適応取得を目的として、厚生労働省に製造販売承認を申請しました。 本申請は、第Ib/II相試験CARTITUDE-1の結果に基づいて行いました。本試験では、登録された患者さんにおいて、cilta-celの治療により、早期に深い持続的な奏効を示すという臨床試験結果が示されました。

 

ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社 オンコロジー グローバル治療領域部門長のピーター・レボウイッツ医学博士は次のように述べています。「レジェンド・バイオテック社との緊密な連携により、cilta-celの開発を迅速に進め、日本において細胞治療製品を申請することができたことを、大変嬉しく思います。この度の申請は、科学を進展させ、世界の多発性骨髄腫の患者さんの健康状態を改善するという私たちのコミットメントを実現させるべく、私たちが注力していることの表れです」

 

ヤンセンの代表取締役社長である關口修平は次のように述べています。「私たちは、患者さんの健康状態を改善するため、細胞治療におけるイノベーションを生み出し、多発性骨髄腫における科学を進歩させるべく、全力で取り組んでいます。この度の申請は、臨床開発におけるたゆまぬ努力の成果です。近い将来、患者さんにこの新たな治療選択肢をご提供できるよう、当局と引き続き緊密に連携して参ります」

 

また、ヤンセンの取締役 研究開発本部 本部長のアマナス・シャーマは次のように述べています。「複数の前治療歴を有する多発性骨髄腫の患者さんは、有効な治療法を必要としています。今回の申請により、BCMAを標的とするCAR-T細胞製品のcilta-celをご提供するという我々の目標に向け、重要な一歩を踏み出すことができました」

 

臨床試験について

CARTITUDE-1 (NCT03548207) は、再発又は難治性多発性骨髄腫の成人患者さんを対象にcilta-celの安全性と有効性を評価する進行中の第Ib/II相、非盲検、国際共同試験です。本試験では、患者さんの99%が最終ラインの治療薬に対して抵抗性を示しており、患者さんの88%が免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤、抗CD38抗体に反応しない、または反応しなくなり、3種類のカテゴリーの薬剤に対する抵抗性を示しています。

第Ib相試験の主な目的はcilta-celの安全性の特徴を明らかにし、LCAR-B38M CAR-T細胞を用いた初のヒト試験(LEGEND-2)で示唆された推奨用量を確認することでした。CARTITUDE-1試験で観察された安全性プロファイルに基づき、第II相試験では全奏効率を主要評価項目として、推奨された第II相用量でのcilta-celの有効性をさらに評価しました。

 

cilta-celについて

cilta-celは自家キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)製品であり、再発又は難治性多発性骨髄腫患者さんおよび早期治療ラインでの投与を目的として、包括的な臨床開発プログラムで研究開発が進められています。cilta-celは、BCMAを標的とする単ドメイン抗体2つを含んだ構造的に区別されたCAR-T細胞製品です1。2017年12月、ヤンセン・バイオテック社は米国レジェンド・バイオテック社と、cilta-celの開発および商品化に関する全世界での独占的ライセンス契約および業務提携契約を締結しました

 

多発性骨髄種とは

多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます1,2。形質細胞が増殖し、がん化して骨髄腫細胞になり、多発性骨髄腫を発症します3,4。2019年の多発性骨髄腫の罹患数予測は7,800人で、死亡数予測は4,500人と推計されています5。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、息切れ・倦怠感、免疫機能の低下、腎障害や血液障害などにより受診し診断されることがあります6

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

E-mail: [email protected]  TEL:03-4411-5046   FAX: 03-4411-5050

 

参考文献

  1. Kumar, SK et al. Leukemia. 2012 Jan; 26(1):149-57.
  2. American Cancer Society. "What Is Multiple Myeloma?" Available at: http://www.cancer.org/cancer/multiplemyeloma/detailedguide/multiple-myel.... Accessed June 2019.
  3. Janssen Research & Development, LLC. A Study to Evaluate 3 Dose Schedules of Daratumumab in Participants With Smoldering Multiple Myeloma In: ClinicalTrials.gov [Internet]. Bethesda (MD): National Library of Medicine (US). 2000-[cited 2018 March 19]. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02316106?term=smm2001&rank=1 Identifier: NCT02316106.
  4. Janssen Research & Development, LLC. An Efficacy and Safety Proof of Concept Study of Daratumumab in Relapsed/Refractory Mantle Cell Lymphoma, Diffuse Large B-Cell Lymphoma, and Follicular Lymphoma In: ClinicalTrials.gov [Internet]. Bethesda (MD): National Library of Medicine (US). 2000-[cited 2018 March 19]. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02413489?term=lym2001&rank=1 Identifier: NCT02413489
  5. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
  6. American Cancer Society. "Diagnosing Multiple Myeloma From Test Results." Available at: https://www.cancer.org/cancer/multiple-myeloma.html Accessed June 2019.