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持効性抗精神病剤『ゼプリオンTRI®水懸筋注シリンジ』新発売のお知らせ

公開日: 
2020/11/18

 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン)は、本日、持効性抗精神病剤『ゼプリオンTRI®水懸筋注シリンジ』(一般名:パリペリドンパルミチン酸エステル、以下「ゼプリオンTRI®」)について、「統合失調症(パリペリドン4週間隔筋注製剤による適切な治療が行われた場合に限る)」を効能又は効果として販売を開始しました。

 

本製品は、国内で承認されている統合失調症治療薬において、最長の投与間隔となる12週間隔の持効性注射剤です。ゼプリオンTRI®の投与開始前には、患者さんは他の抗精神病薬を併用せずにゼプリオン®水懸筋注(パリペリドン4週間隔筋注製剤)を4ヵ月以上継続投与し、その安全性・忍容性が確認され、症状が安定している必要があります。

 

本製品の承認は、2つの海外および国際共同第Ⅲ相臨床試験に基づくものです。ひとつは500人以上の統合失調症患者を対象としたランダム化、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、再発予防試験1、もう一方は、12週間製剤と4週間製剤の有効性と安全性を比較する多施設共同、ランダム化、二重盲検、非劣性試験です2。12週間隔筋注製剤であるゼプリオンTRI®は、再発に対する有効性が認められ、新たな安全性リスクは認められませんでした3

 

「本日、ゼプリオンTRI®の保険償還が認められたことを非常にうれしく思います。私たちは、精神疾患領域における治療法の向上に60年以上に渡って注力し、満たされない医療ニーズが高い分野において変革をもたらすような治療法の開発に取り組んでいます。服薬アドヒアランスの低下は従来から課題とされており、統合失調症治療の困難な側面のひとつでもあります。新たな治療の選択肢に加わったゼプリオンTRI®は、長期的な症状管理において重要な役割を果たす選択肢になることが期待されています。」とヤンセンの代表取締役社長クリス・フウリガンは述べています。

 

統合失調症は思春期から成人期にかけて発症する疾患で、患者数は日本国内で約80万人程度と推計されています。幻覚、妄想などの陽性症状、感情の平板化、意欲低下などの陰性症状、注意、記憶の障害などの認知機能障害を主徴とします。統合失調症の治療において薬物治療は重要な要素のひとつであり、維持期における再発・再燃を予防するために長期的な治療も必要とされています4,5。しかし、多くの患者さんが治療中断による再発やそれに伴う再入院を繰り返しています6。これらの再発・再燃の問題を解決し、治療を成功させるためには、服薬アドヒアランスの向上が重要な課題とされています7

 

「ゼプリオンTRI®」製品概要

製品名 ゼプリオンTRI®水懸筋注175mg シリンジ
ゼプリオンTRI®水懸筋注263mg シリンジ
ゼプリオンTRI®水懸筋注350mg シリンジ
ゼプリオンTRI®水懸筋注525mg シリンジ
一般名 パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液
効能・効果 統合失調症(パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液
4週間製剤により安全性・忍容性が確認された場合に限る)
用法・用量 本剤は、パリペリドン4週間隔筋注製剤が4ヵ月以上継続して投与され、適切な治療が行われた患者に対し、最終投与の4週間後から切り替えて使用する。
通常、成人には、パリペリドンとして、パリペリドン4週間隔筋注製剤最終投与量の3.5倍量を、12週間に1回、三角筋又は臀部筋に筋肉内投与する。
製品名 2020年9月25日
薬価基準収載日 2020年11月18日
発売日 2020年11月18日
薬 価 ゼプリオンTRI®水懸筋注175mg シリンジ:64,540円
ゼプリオンTRI®水懸筋注263mg シリンジ:84,829円
ゼプリオンTRI®水懸筋注350mg シリンジ:102,748円
ゼプリオンTRI®水懸筋注525mg シリンジ:134,858円
製造販売元 ヤンセンファーマ株式会社

 

ゼプリオン TRI®について

パリペリドンパルミチン酸エステルは水に対する溶解度が極めて低いため、筋肉内投与された後、緩徐に溶解し、その後パリペリドンに加水分解され全身循環に移行します。投与部位から緩徐にパリペリドンが放出されることで、長期に渡って有効血漿中濃度を維持します。国内においては、『ゼプリオンTRI®水懸筋注シリンジ』と同じパリペリドンパルミチン酸エステルを有効成分とする『ゼプリオン®水懸筋注シリンジ』が、統合失調症を効能又は効果とする4週に1回投与の非定型抗精神病薬の持効性注射剤として2013年9月に製造販売承認、同年11月から販売されています。

 

ヤンセンについて

ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。ヤンセンに関する詳しい情報は
www.janssen.com/japan/およびwww.facebook.com/JanssenJapan/をご覧ください。

ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

 TEL:03-4411-5046  FAX: 03-4411-5050    E-mail: [email protected]

 

参考文献

  1. Berwaerts J, Liu Y, Gopal S, et al. Efficacy and Safety of the 3-Month Formulation of Paliperidone Palmitate vs Placebo for Relapse Prevention of Schizophrenia: A Randomized Clinical Trial. JAMA Psychiatry. 2015;72(8):830-9.
  2. Savitz AJ, Xu H, Gopal S, et al. Efficacy and safety of paliperidone palmitate 3-month formulation for patients with schizophrenia: A randomized, multicenter, double-blind, noninferiority study. Int J Neuropsychopharmacol. 2016.
  3. 厚生労働省ホームページ:平成29年(2017年)患者調査の概況.
Available from:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/kanja.pdf
  4. American Psychiatric Association (APA). Practice guidelines for the treatment of patients with schizophrenia, Second Edition. American Psychiatric Association. 2010.
  5. Robinson D, et al. Predictors of relapse following response from a first episode of schizophrenia or schizoaffective disorder. Arch Gen Psychiatry. 1999;56(3):241-7.
  6. 稲垣中, et al. 精神分裂病維持療法における非定型抗精神病薬とデポ剤の役割. 臨床精神薬理. 2001;4(3):361-7.
  7. Velligan DI, et al. The expert consensus guideline series: adherence problems in patients with serious and persistent mental illness. J Clin Psychiatry. 2009;70 Suppl 4:1-46.