※当資料は、2020年5月29~31日開催される米国臨床腫瘍学会(ASCO)Virtual Scientific Program に向け、5月13日にヤンセン米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。プレスリリースの正式言語が英語であるため、原文の発表内容が優先されます。
ASCO Virtual Scientific Programで発表する第Ⅲ相SPARTAN試験の最終解析で
全生存期間の中央値の14ヵ月の延長を示唆
ニュージャージー州ラリタン(2020年5月13日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは本日、第Ⅲ相臨床試験であるSPARTAN試験の最終解析の結果として、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌(nmCRPC)患者においてアンドロゲン除去療法(ADT)併用下でのアーリーダ®(一般名:アパルタミド)の投与によりADT単独と比較して全生存期間(OS)が有意に延長したことを発表しました1。この結果は、5月29日に開会する米国臨床腫瘍学会(ASCO)Virtual Scientific Program(抄録番号5516)で発表予定です。
アーリーダ®群は、全生存期間の中央値を14ヵ月延長し、死亡のリスクを22%減少させました1。OSの中央値は、アーリーダ®群の患者では73.9ヵ月であったのに対して、ADT単独群の患者では59.9ヵ月でした(HR = 0.78、p = 0.0161)1sup>。主要評価項目である無転移生存期間(MFS)を達成したことを受けてSPARTAN試験は盲検解除され、ADT単独の患者がアーリーダ®併用に切り替えることが認められました。OSの結果は、無作為割付でADT単独群のうち76名(19%)がアーリーダ®による治療に切り替えたにも関わらず達成されたものです1。ADT単独群の患者の治療切り替えについて調整したところ、ADT併用下でのアーリーダ®の治療効果によりADT単独と比較してOSの中央値の延長がみられ、21ヵ月の差が認められました(それぞれ73.9ヵ月 vs 52.8ヵ月、HR = 0.69、p = 0.0002)。加えて、ADT併用下でのアーリーダ®の投与により、ADT単独群と比較して、化学療法開始までの期間が有意に延長しました(HR = 0.63、p = 0.0002)1。
主要解析のデータと併せ、SPARTAN試験は主要評価項目、副次評価項目、探索的評価項目をすべて達成しています。本試験の主要評価項目はMFSであり、副次評価項目は転移までの期間、無増悪生存期間(PFS)、臨床症状が悪化するまでの期間、OS、化学療法の開始までの期間であり、探索的評価項目は二次無増悪生存期間(PFS2)、前立腺特異抗原(PSA)奏効率、PSA増悪のリスクでした。
「今回の全生存期間の延長の結果により、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌と診断された患者さんの治療にアーリーダ®を使用することを支持する臨床データがさらに加わりました。現在、アーリーダ®の承認申請を目的とした5件の第Ⅲ相試験を実施しています。これらの試験を通して、様々な病期の前立腺癌と診断された患者さんの治療法の開発に尽力してまいります」と、ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社のバイスプレジデントで前立腺癌領域リーダーであるMargaret Yu博士は述べています。
治療期間の中央値は、アーリーダ®群(33ヵ月)がADT単独群(12ヵ月)と比較して3倍近く長くなっています1。治療下で発現したグレード3/4の注目すべき有害事象は、皮疹(5.2%)、骨折(4.9%)、転倒(2.7%)、虚血性心疾患(2.6%)、甲状腺機能低下症(0%)、痙攣発作(0%)でした3。アーリーダ®の安全性及び忍容性は従来からの報告から一貫しています。
SPARTAN試験の初期成績は、2018年全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器癌シンポジウム(ASCO GU)で発表され、同時にThe New England Journal of Medicine誌に掲載されました。本試験は主要評価項目であるMFSを達成し、nmCRPC患者のMFSの中央値を2年以上延長し(24.31ヵ月の差)、遠隔転移のリスクを72%減少しました2。OSのデータは、MFSの最終解析の時点では十分に蓄積されていませんでした(必要なイベント数の24%)。最新の結果は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の2019年年次総会で発表され、同時にAnnals of Oncology誌に掲載されました。
SPARTAN試験について
SPARTAN試験(NCT01946204)は、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者を対象としてADT併用下でアーリーダ®を評価することを目的とした第Ⅲ相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同試験3です。SPARTAN試験には1,207名の患者が参加し、これらの患者は2:1の割合でADT併用下でアーリーダ® 240 mgを1日1回経口投与する群(n = 806)とADT併用下でプラセボを1日1回投与する群(n = 401)に無作為に割り付けられました3。 警告及び使用上の注意として、虚血性心血管事象、骨折、転倒、痙攣発作、胚・胎児毒性が挙げられます3。SPARTAN試験での主な副作用(10%以上)は、疲労、高血圧、皮疹、下痢、悪心、体重減少、関節痛、転倒、ほてり、食欲減退、骨折、末梢性浮腫でした3。
アパルタミドについて
アパルタミドは、経口アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤であり、前立腺がん細胞のアンドロゲンシグナル経路を遮断します。アパルタミドはアンドロゲンがアンドロゲン受容体(AR:androgen receptor)に結合するのを阻害する、ARががん細胞内に移行するのを止める、ARががん細胞のDNAに結合するのを阻害する、という3つの方法でがん細胞の増殖を阻害します。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です
参考文献
- Small, E. et al. Final Survival Results From SPARTAN, a Phase 3 Study of Apalutamide (APA) vs Placebo (PBO) in Patients (pts) With Nonmetastatic Castration-Resistant Prostate Cancer (nmCRPC). Insert Link.
- Small E., et all. SPARTAN, a phase 3 double-blind, randomized study of apalutamide (APA) vs placebo (PBO). in patients (pts) with nonmetastatic castration-resistant prostate cancer (nmCRPC). Abstract #161.
- ERLEADA® Prescribing Information, September 2019.
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
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