Skip to main content

パリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)の治療による統合失調症患者の就業状況と社会機能改善についてInnovations in Clinical Neuroscience誌にて論文を発表

公開日: 
2020/04/21

(報道向け参考資料)
 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)はこのほど、パリペリドンパルミチン酸エステル月1回注射剤(PP1M)の2年間の市販後調査の結果として、統合失調症患者を対象にしたPP1Mの治療により、就業状況及び社会機能が治療開始時と比較して有意な改善を示したことを発表しました。なお、この結果は「Innovations in Clinical Neuroscience」のオンライン版で公表されています。

 

統合失調症の治療ゴールとしては、患者さんのリカバリー、特に社会復帰が上げられますが、抗精神病薬の効果は主に比較的短期間の症状改善をもとに評価されることが多く、就業状況改善への寄与についての報告はほとんどありません。本調査では1,319例のPP1Mを投与された統合失調症患者を対象に実臨床下におけるPP1Mの安全性、有効性評価とともに就業状況、社会機能の変化も評価しました。

 

その結果、何らかの形で就業している患者さんの割合は治療開始時には24.3%でしたが、1年後には32.5%、2年後には34.6%と統計学的に有意な増加を示しました。また、仕事を求めている患者さんを含めると、その割合は治療開始時には27.9%、1年後には37%、2年後には39.3%と有意な増加を示しました。また、SOFAS(Social and Occupational. Functioning Assessment Scale)で評価した社会機能も2年間の観察期間に有意な改善を示しました。有害事象は、29.26%の患者で認められましたが,既知の安全性プロファイルと概ね一致するものでした。

 

パリペリドンパルミチン酸エステルについて

国内では、2013年11月より「ゼプリオン®水懸筋注シリンジ(以下、ゼプリオン®)」として発売されています。パリペリドンパルミチン酸エステルの水性懸濁液であり、筋肉内に投与することにより投与部位で徐々に溶解し、加水分解され、活性本体であるパリペリドンとなり吸収されます。ゼプリオン®は、4週に1回、三角筋または臀部筋内に投与する持効性注射剤の統合失調症治療薬です。

※ゼプリオンの用法及び用量:
通常、成人にはパリペリドンとして初回150mg、1週後に2回目100mgを三角筋内に投与する。その後は4週に1回、パリペリドンとして75mgを三角筋又は臀部筋内に投与する。なお、患者の症状及び忍容性に応じて、パリペリドンとして25mgから150mgの範囲で適宜増減するが、増量は1回あたりパリペリドンとして50mgを超えないこと。

 

統合失調症について

統合失調症治療においては、再発を繰り返すことにより徐々に社会生活機能が低下して、完全な機能改善が困難になるなどの再発・再燃に関する種々の問題が挙げられており、これらの問題を解決し治療を成功させるためにはアドヒアランスが重要で特に薬物療法に対するアドヒアランスの向上が重要な課題として考えられています1。一方で、抗精神病薬の持効性注射剤は、統合失調症治療において重要なアドヒアランス向上に有用であり2、統合失調症患者における再発リスクを低減させることが示唆されています3

 

市販後調査について

国内での本剤の発売後、実臨床下での本剤の使用に関する安全性の評価を含む市販後調査を実施しました。24ヶ月の追跡期間において合計1,319人が登録され、そのうち1,306人が安全性について評価可能であり、1,279人が有効性について評価可能でした。24ヵ月間の観測期間を満了した患者さんは49.4%でした。

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

 

参考文献

  1. Velligan, D. I., et al.: J. Clin. Psychiatry, 70(suppl. 4), 1, 2009
  2. McEvoy, J. P. : J. Clin. Psychiatry, 67(suppl. 5), 15, 2006
  3. Schooler, N. R. : J. Clin. Psychiatry, 64(suppl. 16), 14, 2003

 

【本件に関するお問合せ先】

 ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部

TEL:03-4411-5046   FAX: 03-4411-5050   E-mail: [email protected]