ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下、「ヤンセン」)は本日、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤「ステラーラ®」(一般名:ウステキヌマブ(遺伝子組換え)、以下、「本剤」)について、点滴静注製剤で「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」および皮下注製剤で「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能又は効果として、製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。
本剤は、炎症性腸疾患に深くかかわるIL(インターロイキン)-12およびIL-23を阻害することにより消化管の炎症を抑制します。
今回の承認は、国際共同試験である第3相UNIFI試験のデータに基づくものです。この試験には、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象とした、本剤の有効性および安全性を評価する2つの国際共同試験(CNTO1275UCO3001 試験:寛解導入試験および寛解維持試験)が含まれ、日本もこれらの試験に参加しました。
第3相寛解導入試験の結果、本剤の単回静脈内投与が、従来の薬物療法もしくは既存の生物学的製剤で十分な効果を得られなかった、または忍容性を示さなかった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんに対し、主要評価項目である8週目での臨床的寛解およびクリニカルレスポンスの導入をもたらすことを示しました1。また、第3相寛解維持試験の結果、本剤の単回静脈内投与によりクリニカルレスポンスを達成した患者さんに対し、本剤の8週間隔または12週間隔の皮下投与により、主要評価項目である44週時点(単回静脈内投与後52週)での臨床的寛解を達成したことを示しました1。
ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社のバイスプレジデント兼消化器病学疾患領域リーダーであるジェン・ウェカンプ医学博士は、次のように述べています。「潰瘍性大腸炎における発症年齢のピークは20代とされ、就学・就労をはじめ人生のさまざまな選択に深刻な影響を及ぼします。今回の承認によって、潰瘍性大腸炎の患者さんとそのご家族へ新たな治療の選択肢をご提供できることを嬉しく思います。」
なお、本剤の点滴静注製剤は「中等症から重症の活動期クローン病の導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」、皮下注製剤は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬」および「中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」として日本で承認されています。
ヤンセンは今後も、未だ満たされない医療ニーズに応えることで、患者さんのQOL向上に尽力していきます。
「ステラーラ®」(ウステキヌマブ)の製品概要
尋常性乾癬、関節症性乾癬
中等症から重症の活動期クローン病の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として1回45mgを皮下投与する。初回投与及びその4週後に投与し、以降12週間隔で投与する。
ただし、効果不十分な場合には1回90mgを投与することができる。
クローン病/潰瘍性大腸炎
ウステキヌマブ(遺伝子組換え)の点滴静注製剤を投与8週後に、通常、成人にはウステキヌマブ(遺伝子組換え)として90mgを皮下投与し、以降は12週間隔で90mgを皮下投与する。なお、効果が減弱した場合には、投与間隔を8週間に短縮できる。
2017年3月30日
2020年3月25日
2020年3月25日
*効能・効果追加による
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、原因不明の慢性炎症性腸疾患です。日本における患者数は,219,700人2とされ、男女比は1:1で性差はないと報告されています3。青年後期および成年初期に診断されることが最も多く4、日本での発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25歳~29歳です3。下痢、直腸出血、体重減少、腹痛、発熱などの症状がみられ、強直性脊椎炎等の大腸炎性関節炎がみられる場合もあります5。また、生涯にわたり慢性的な寛解と増悪を繰り返す特徴があり、患者さんの約15%は、入院を要する急性発作を発現します6。
UNIFI試験について
UNIFI試験は、従来の薬物療法(コルチコステロイド、免疫調節剤)もしくは既存の生物学的製剤(複数のTNF阻害剤またはベトリズマブ)で十分な反応を得られなかった、または忍容性を示さなかった中等症から重症の潰瘍性大腸炎の成人患者さんに対し、ウステキヌマブを寛解導入投与および寛解維持投与する場合の安全性と有効性を評価するためにデザインされた第3相試験です。寛解導入試験と寛解維持試験はいずれも、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間多施設共同試験です。寛解導入試験は各参加者に対し8週間以上継続し、寛解導入試験でクリニカルレスポンスを達成した参加者を寛解維持試験の適格者としました。寛解維持試験は44週間継続しました。寛解導入試験の主要評価項目は8週目の臨床的寛解です。また、寛解維持試験の主要評価項目は、ウステキヌマブの単回静脈内投与によりクリニカルレスポンスを達成した患者さんを対象とした44週目の臨床的寛解です。寛解維持試験の完了後、適格な参加者に対し長期的な投与をさらに3年間実施する予定です。
コ・プロモーション契約について
ヤンセンは田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家正之、以下「田辺三菱製薬」)と日本におけるステラーラのコ・プロモーション契約を締結しています。本契約に基づき、ヤンセンは日本におけるステラーラの製造販売元として田辺三菱製薬にステラーラを供給し、国内での流通は田辺三菱製薬が担います。また、医療従事者への情報提供活動については、ヤンセンと田辺三菱製薬の両社が共同で実施します。
参考文献
- Sands BE, Sandborn WJ, Panaccione R et al. Ustekinumab as Induction and Maintenance Therapy for Ulcerative Colitis. N Engl J Med 2019; 381:1201-1214.
- 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」2016
- 潰瘍性大腸炎(指定難病97). 難病情報センター. http://www.nanbyou.or.jp/entry/62, (参照2019-2)
- Loftus EV Jr. Clinical epidemiology of inflammatory bowel disease: incidence, prevalence, and environmental influences. Gastroenterology. 2004;126(6):1504-17.
- Stenson WF. Inflammatory bowel disease. In: Goldman l, Bennett, JC, editors. Cecil Textbook of Medicine, 21st ed. Philadelphia (PA): WB Saunders Co; 2000. p.722-9.
- 1 Willert RP, Lawrance IC. Use of infliximab in the prevention and delay of colectomy in severe steroid dependant and refractory ulcerative colitis. World J Gastroenterol. 2008 Apr;14(16):2544-9.
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です
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