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10月29日は「世界乾癬デー」

公開日: 
2011/10/18

世界に1億2,500万人以上、日本に10万人以上の患者さんがいる皮膚疾患「乾癬」
乾癬とはどんな病気? 患者さんの悩みは何?

乾癬(かんせん)の疾患名認知率29.2%
「温泉やレジャーなど肌を露出する機会」や「周囲の視線」がストレスに

 

ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:トゥーン・オーヴェルステンズ、以下「ヤンセンファーマ」)は、10月29日に世界乾癬デーを迎えるにあたり、乾癬の疾患認知と乾癬患者さんの悩みに関しての現状を把握するため、株式会社マクロミルとエムスリー株式会社のオンライン調査*を通じて、医師(生物学的製剤使用施設の皮膚科医101名)、乾癬患者さん(279名)、そして全国の20代から60代の男女(520名)を対象に乾癬に関する意識調査を実施しました。

 
乾癬は、慢性で難治性の炎症性疾患であり、皮膚の細胞増殖が異常に盛んになることで、皮膚が赤くなる(紅斑)、盛り上がる(浸潤)、表面の銀白色のかさぶた(鱗屑・りんせつ)が付着しポロポロとはがれ落ちる(落屑・らくせつ)といった症状が見られます。乾癬はその語感からくる印象とは異なり、他人に感染することはありません。しかし、乾癬の皮膚症状は外見上も非常に目立つことから、乾癬患者さんの多くは他人の目を気にするあまり外出すらままならない状況に置かれることも少なくないとされます。そのため、患者さんの社会生活や人間関係に影響を及ぼすこともあり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を著しく低下させる疾患として知られています。

 

低い疾患認知率とともに病名が招く誤解:
一般男女の「乾癬」への疾患名認知率は29.2%にとどまり、水虫(95.6%)、アトピー性皮膚疾患(91.0%)やヘルペス(78.8%)、帯状疱疹(72.3%)といった他の皮膚疾患と比較して、大きな差があることがわかりました。また、乾癬について「疾患名だけでなく知識がある」と答えた割合は11.5%で、疾患名を知っていても具体的な知識のない人は2~3人に1人という結果でした。乾癬患者さんにおいても、「診断されて初めて(乾癬という疾患を)知った」と答えた方が73.1%という結果でした。また、「乾癬を知らない」と答えた方のうち、30.4%の人が「うつりそう(感染しそう)」と回答しており、39.4%の乾癬患者さんが「乾癬というオン読みが感染と同じで誤解を与える、音の響きがよくない」と回答しています。疾患認知率の低さだけではなく、「乾癬」という疾患名が誤解を招いていることが示唆されました。

 

乾癬患者さんには治療だけではなく心のケアも必要:
皮膚に症状がでる乾癬の患者さんがストレスを感じるシーンとしては、「肌の露出機会の多いスポーツやレジャー」(53.7%)、「周囲の視線」(51.6%)、「美容院や理容院に行くこと」(44.8%)などが上位の項目に挙げられています。特に、女性の患者さんにおいては、「肌の露出機会の多いスポーツやレジャー」(61.4%)、「周囲の視線」(53.4%)、「美容院や理容院に行くこと」(52.3%)と高い傾向がみられました。
医師を対象とした調査でも、83.1%の医師が患者さんは「見た目やひとの視線」に悩んでいることを認識し、また9割以上の医師が「乾癬が及ぼす精神的、心理的影響」は診療する際に重要な項目として挙げていました。

 

乾癬患者さんの治療満足度:
乾癬患者さんの治療満足度(満足、やや満足)は、今回の調査では32.4%*でした。なお、不満と回答した患者さんの理由としては「治療効果が十分でない」が77.7%と最も高い回答でした。乾癬患者さんは現状の治療に十分に満足をしていないことが明らかになりました。昨年、生物学的製剤による新しい治療方法が登場し、乾癬患者さんの治療の選択肢が広がりましたので、今後の動向が期待されます。

 

医師と患者さんのコミュニケーションの現状:
乾癬患者さんが医師と話し合いたいこと*として一番多かった回答は「今後の治療について」(65.7%)でした。また、「最新治療について」話し合いたいと答えた人が59.2%おり、患者さんは、診療時に現在の治療を見直す機会を求めていることがわかりました。
一方、医師を対象にした調査では、「治療目的を定期的に確認し、患者さんに理解をしてもらっている」と答えた医師は34.0%、コミュニケーションのタイミングとして「診療ごとに話し合っている」と回答した医師は16.0%という結果でした。診断時の説明で最も時間を費やす項目は「乾癬について」と回答した医師は80.4%で、時間にして5~20分を費やしていることがわかりました。

 

NTT東日本関東病院 皮膚科部長 五十嵐 敦之先生からのコメント:
今回の調査を受け、NTT東日本関東病院 皮膚科部長 五十嵐 敦之先生は次のように述べています。
「長年の間、乾癬患者さんはなかなか解消されない皮膚症状やかゆみで悩んできました。2005年の調査では患者さんの治療満足度は半数以下でした。しかし近年、新たな治療選択肢も登場し、今までの治療に満足できなかった患者さんにとって新たな道がひらけました。今回の調査では治療満足度に大きな変化はありませんでしたが、新しい治療方法の登場で乾癬患者さんたちの満足度が向上することを期待しています。

多くの患者さんが、医師と最新の治療方法について話し合いたいと回答しています。患者さんは現在の治療について満足していない場合、あきらめずに積極的に医師に治療目標などについて問いかけていただきたいと思います。同時に、医師側も患者さんに心理的な負担をかけないよう相談に応じるよう心がけて行く必要があります。今回の調査の結果で、乾癬の一般の認知を高めることによって、乾癬患者さんのストレスが緩和できる可能性があることがわかりました。日本における乾癬患者さんの人数は約10~20万人で年々増加傾向にあります。10月29日の世界乾癬デーをきっかけに、多くの方に乾癬という疾患を知っていただけることを強く望んでいます」

 
1) 中川秀己 日本皮膚科学会雑誌:115(10) 1449, 2005

ヤンセンファーマでは、新しい治療薬の提供とともに、乾癬の疾患啓発にも努め、今後も活動を続けていきます。

 

  

*本調査について:
 1. 調査サンプル属性
    ①. 一般向け調査:全国の20代から60代の男女を対象(n=520)
    ②. 乾癬患者さん向け調査:全国の20代から60代の乾癬患者さんを対象(n=279)
       *「医師と話し合いたいこと」のみ(n=265)
    ③. 医師向け調査:全国の生物学的製剤使用承認施設の皮膚科の医師を対象(n=101)
 2. 調査方法:インターネットリサーチ(①および②:株式会社マクロミル、③エムスリー にて調査)
           

 

 

我々ヤンセンは、現代においてもっとも重要な「いまだ満たされない医療ニーズ」への対応と解決に力を注いでいます。これには、がん、免疫疾患、中枢神経疾患、疼痛、感染症、代謝疾患が含まれます。患者さんへの貢献という強い意思に基づき、革新的な製品、サービスを開発提供し、健康問題の解決に努め、世界中のひとびとを支援しています。ヤンセンファーマ株式会社は、ヤンセンファーマシューティカル・グループのひとつです。