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全身麻酔用鎮痛剤「アルチバ®静注用 2mg/5mg」の承認を取得 ~本邦初の超短時間作用性のオピオイド鎮痛剤~

公開日: 
2006/10/21

米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(東京都千代田区、社長:関口 康)は、本日付で全身麻酔用鎮痛剤「アルチバ®静注用2mg、同5mg」(以下「アルチバ®」、一般名:レミフェンタニル塩酸塩)の承認を取得しました。

 

現在、全身麻酔による手術においては、麻酔薬、鎮痛薬、筋弛緩薬などを組み合わせたバランス麻酔*脚注が行われています。「アルチバ®」は、この鎮痛薬の中で最も鎮痛効果が高いと考えられているフェンタニルと同属のオピオイド鎮痛薬(μ-オピオイド受容体作動薬)で、1972年に発売されたフェンタニル以来の“全身麻酔の導入及び維持における鎮痛”を適応症とする全身麻酔用鎮痛剤です。本剤は、強力な鎮痛作用を有するとともに鎮痛作用の発現(約1分)と消失(約5-10分)が速やかで調節性に優れるという特徴があり、この様な超短時間作用性のオピオイド鎮痛薬の登場は本邦では初めてのことです。

 

既存のオピオイド鎮痛薬の問題点(鎮痛作用の調節性、蓄積性、肝臓での代謝など)を解決することを目的として開発された「アルチバ®」は、フェンタニルと同等の強力な鎮痛作用を有し、フェンタニルより更に短時間作用性で、調節性に優れるため、手術時の刻一刻と変化する患者さんの状態に応じた鎮痛のコントロールを容易とします。さらに、長時間手術での投与による蓄積性がないため、手術終了後の呼吸抑制といった遅発性の副作用発現のリスクを心配することなく、鎮痛に必要な十分量を投与することが出来るので術中の患者さんの身体的ストレス軽減に大きく寄与するものと考えます。

 

当社は、本剤が術中鎮痛における新たな選択肢をより多くの患者さんに提供するとともに、これからの全身麻酔管理に貢献する薬剤となることを期待しております。

 

「アルチバ®」は、グラクソウエルカム社(現GSK:グラクソスミスクライン社)が創製した薬剤で、既に超短時間作用性の全身麻酔用鎮痛剤として、世界中の医療関係者よりその有用性を認められています。今日まで米国・欧州等海外69カ国*1で承認されており、日本では当社が開発を引き継ぎ、販売を担当します。

 

当社では、「アルチバ®」を薬価収載後、速やかに発売する予定です。

 

「アルチバ®静注用」の特性

1.  超短時間作用性のオピオイド鎮痛薬のため、強力な鎮痛作用を有するとともに鎮痛作用の発現および消失が速やかで、調節性に富みます。そのため、静脈内への持続投与速度の変更により手術の状況に応じた痛みのコントロールが可能になります。
2.  血液中及び組織内の非特異的エステラーゼによって速やかに代謝されるため、肝・腎機能の悪い患者さんでも使用できます。
3.  蓄積性が無い(CSHT*2 約3分と一定)ため、長時間投与後も遅発性の副作用(呼吸抑制など)の軽減が期待できます。

 

 

*脚注 :バランス麻酔における全身麻酔用鎮痛薬とは
全身麻酔法による手術時には、人間の身体を手術が可能な状態に置く、鎮痛(痛みの除去)・鎮静(意識の消失)・筋弛緩(体動防止)を行います。この役割ごとの薬剤を組み合わせてバランスよく投与することによって各薬剤の副作用を最小限にする麻酔法が、バランス麻酔と呼ばれています。この3つの薬剤の中で、全身麻酔用鎮痛薬とは「鎮痛」の役割を担います。また、麻酔法には患者さんを眠らせて気管挿管などで人工換気下に行う全身麻酔法と、腰椎麻酔などと呼ばれている局所麻酔法がありますが、「アルチバ®」は全身麻酔法において使用されます。

*1 2006年4月現在

*2 CSHTとは、持続投与中止後に血中又は作用部位における薬物濃度が持続投与前の50%に低下するまでの時間のことを示す

 

製品概要レミフェンタニル

 
【承認取得日】2006年10月20日【販売名】アルチバ®静注用2mg / アルチバ®静注用5mg【一般名】レミフェンタニル【薬効分類】全身麻酔用鎮痛剤【効能・効果】全身麻酔の導入及び維持における鎮痛【成分・含量】

<2mg>レミフェンタニル塩酸塩2.2mg(レミフェンタニルとして2mg)

<5mg>レミフェンタニル塩酸塩5.5mg(レミフェンタニルとして5mg)
【用法・用量】

麻酔導入:通常、レミフェンタニルとして0.5μg/kg/分の速さで持続静脈内投与する。

なお、ダブルルーメンチューブの使用、挿管困難等、気管挿管時に強い刺激が予想される場合には、1.0μg/kg/分とすること。

また、必要に応じて、持続静脈内投与開始前にレミフェンタニルとして1.0μg/kgを30~60秒かけて単回静脈内投与することができる。

ただし、気管挿管を本剤の投与開始から10分以上経過した後に行う場合には単回静脈内投与の必要はない

麻酔維持:通常、レミフェンタニルとして0.25μg/kg/分の速さで持続静脈内投与する。

なお投与速度については、患者の全身状態を観察しながら、2~5分間隔で25~100%の範囲で加速又は25~50%の範囲で減速できるが、

最大でも2.0μg/kg/分を超えないこと。浅麻酔時には、レミフェンタニルとして0.5~1.0μg/kgを2~5分間隔で追加単回静脈内投与することができる。
【包装】<アルチバ®静注用2mg>:5バイアル<アルチバ®静注用5mg>:5バイアル

 

以上