ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン)は11月21日、抗悪性腫瘍剤『イムブルビカ®カプセル140mg(以下、イムブルビカ®、一般名:イブルチニブ)』について、未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)を含むすべてのCLL/SLLに対する効能・効果を取得することを目的に、承認事項一部変更承認申請を行いました。
CLLは、Bリンパ球(白血球の一種)の腫瘍で、多くは緩徐に進行します。SLLはCLLと同一疾患と定義されており、末梢血や骨髄への浸潤がなくリンパ節腫大を認めるものはSLLとされます1。いずれも高齢者に多く見られる希少疾患であり、化学療法のみでの治癒は難しく、再発・進行を繰り返す疾患です。日本におけるCLL/SLLの総患者数は白血病全体の1~2%2、約2,000人と報告されています3。一方、欧米では、白血病全体の20~30%を占める比較的頻度の高い白血病です4。
国内におけるCLL/SLLの治療は、海外でCLL/SLLに対して高いエビデンスを示す治療が国内未承認であることなどから、選択肢が限られています。そのため、忍容性が良好で優れた治療効果により長期に渡り病勢をコントロールできる薬剤の登場が望まれています。
本適応追加の申請は、未治療のCLL/SLL患者さんを対象とした国内及び海外の臨床試験においてイムブルビカ®の有効性と安全性が確認されたことによるものです。海外で実施された第Ⅲ相試験の「RESONATE-2」(PCYC-1115-CA試験)においては、イブルチニブはchlorambucil*に対して、無憎悪生存期間、全生存期間、全奏効率において有意な改善を示し、許容可能な安全性が確認されました。 *国内未承認
国内において、『イムブルビカ®』は、2016年3月に「再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の効能・効果で承認され、2016年12月には、「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」の適応が追加承認されています。なお、2014年6月に慢性リンパ性白血病、小リンパ球性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫に対し希少疾病用医薬品に指定されています。
当社では、本剤を通じて、アンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢を提供し、日本のCLL/SLL治療にさらなる貢献をしてまいります。
イムブルビカ®について
イムブルビカ®は、1日1回経口投与の新しい作用機序を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。BTKは、B細胞の成熟と生存を制御する細胞内シグナル伝達に関与する重要なタンパク質で、本剤は、 このBTKを標的にすることで腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制します。5,6,7
本剤は、Cilag GmbH International(ヤンセンファーマシューティカルズカンパニーの1社)と、アッヴィ社の一部であるファーマサイクリックス社が共同開発しています。ファーマサイクリックス社とヤンセン・バイオテック社が共同販売をしている米国を除く、その他の国と地域では、ヤンセンが販売します。
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。
参考文献
1. WHO分類(第4版)
2. Aoki R, et al.: Pathol Int 58: 174-182, 2008.
3. 厚生労働省: 平成23年患者調査 第97表.
4. Hallek M: Am J Hematol 90; 446-460, 2015
5. Rui, L., et al.: Nat Immunol., 12, 933-940, 2011
6. de Rooij, M.F.M., et al.: Blood, 119, 2590-2594, 2012
7. Seda V., et al.: Eur J Haematol., 94, 193-205, 2015
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社 コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected] TEL:03-4411-5046 FAX: 03-4411-5050