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ヤンセン、実臨床におけるアビラテロンとプレドニゾン(AA+P)療法 に関する新たなデータを発表

公開日: 
2017/03/03

※本資料は、Janssen-Cilag International NV社が2017年2月17日(現地時間)に発表したプレスリリースを翻訳したものです。発表内容のデータは、フロリダ州オーランドで開催された2017年全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表した包括的リアルワールドエビデンス(RWE)ポートフォリオの一部です。

 

2017217日 ベルギー・ベルセにて発表

ヤンセン・シラグ・インターナショナル社は、実臨床においてアビラテロン酢酸エステルとプレドニゾン(AA+P)療法を施行された前立腺がん患者において、画像上の無増悪生存期間(rPFS)16.5ヵ月(95%CI、13.5 - 20.0)、治療継続期間11.6ヵ月(95%CI、10.2-12.8)を達成したことを公表しました。この試験は、アンドロゲン遮断療法(ADT)後の、無症候性および軽度の症候性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者を対象に評価を行ったものです(1)。これらの貴重な結果は、予後の悪い患者さん、治療に難渋する患者さんなど、通常は臨床試験からは除外される人々を含む実臨床における患者集団を対象にした上で得られたものです。このデータは、フロリダ州オーランドで開催された2017年米国臨床腫瘍学会 泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO GU)において、ヤンセンが発表した包括的リアルワールドエビデンス(RWE)ポートフォリオの一部です。

 

RWEの意義について、ドイツ・ミュンスター大学医療センター泌尿器科のMartin Boegemann氏は、「RWEは、医師が患者のニーズに的確に応えるために役立つ情報であり、患者志向の診療を行う上で非常に重要なものです。このエビデンスは、臨床試験から得られるデータを補完するとともに、合併症を抱える患者さんを含む幅広い患者集団における治療効果、疾病管理、生活の質(QOL)への影響をより深く理解するうえで欠かせません。実臨床の患者さんでの治療成績を示すこのような新しいデータによって、臨床試験で見られた治療成績が裏付けられることは非常に有用といえます。今回の知見は、欧州各地で次々に発表されているRWEをさらに豊かにするものであり、我々が患者に最適な治療を選ぶ際の参考情報として、益々重要になっています」と述べています。

 

大規模第3相臨床試験であるCOU-AA-302試験では、治療継続期間中央値13.8ヵ月(IQR、8.3 - 27.4)とrPFS中央値16.5ヵ月(95%CI、13.8 - 16.8)を達成しています(1,2,3,4)。このCOU-AA-302試験の結果は、今回発表されたRWE試験の結果とほぼ同じものでした。しかも、RWE試験の患者のほぼ10%において内臓転移(内臓、すなわち肝臓および/または肺への転移)が見られ、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータスが2〜3(仕事は行えないが、自分の身の回りのことを行える、または部分的に行える能力がある)であったにもかかわらず、達成されたものです。このような患者は、COU-AA-302試験では含まれていませんでした(4)

 

前立腺がん登録から得られたもうひとつのRWEである、mCRPCを対象とした欧州初にして最大規模のRWE研究の結果も、ASCO GUで報告されました(5)。前立腺がん登録は、日常診療において、最適なmCRPC治療に取り組むというヤンセンの長期的取り組みとして、2013年から開始されています5。前立腺がん登録には欧州16ヵ国、199か所の医療機関で3,000人以上のmCRPC患者が登録されています(5)

 

アジアでヤンセンは、前立腺がんのすべてのステージの患者を対象にした最大規模のプロスペクティブな観察研究にも取り組んでいます。UFO(United in Fighting for prOstate)がん登録と命名されたこの試験は、日本、中国、インド、マレーシア、シンガポール、韓国、台湾、タイの患者からのデータを集積しています。この試験のエンドポイントは、投与パターンと転帰、生物学的マーカー、QOL、医療資源の活用などです。被験集団は、ハイリスク限局性前立腺がん、非転移性再発性前立腺がん(M0)、転移性前立腺がん(M1)の患者から構成されています。その狙いは、5年までの間に4,000人までの患者を集めることです。

 

前立腺がんは世界の男性のがんとしては2番目に多いがんであり、新しいケースのほぼ15%を前立腺がんが占めており、2012年に110万件の症例が記録されています(6)。日本では前立腺がんは増加傾向にあります(患者数は2010年には64,934例であったのに対し、2011年は78,728人)。2016年のがん罹患数予測においては、第一位となっています(7)

 

Boegemannらの試験について

Boegemannらの研究は、ベルギー、ドイツ、英国の18の医療機関においてアビラテロン酢酸エステルとプレドニゾン(AA+P)療法を受けた224人の無症候性および軽度の症候性のADT後mCRPC患者を対象とした、レトロスペクティブチャート・レビューです(1)

この実臨床研究は、内臓転移(内臓、すなわち肝臓および/または肺への転移)が見られる患者(9.8%)とECOGパフォーマンスステータスが2~3(仕事は行えないが、自分の身の回りのことを行える、または部分的に行える能力がある)の患者を対象としています(1)

 

アビラテロン酢酸エステルについて

ZYTIGA®は、mCRPC患者に対するプレドニゾンとの併用が2014年9月に日本で承認されました。前立腺がんにとって重要な精巣、副腎、腫瘍組織自体という3つのアンドロゲン(前立腺がんの増殖を促進する)分泌源すべてでアンドロゲンの産生を阻害する作用を持つ唯一の承認薬です(8,9,10)

現在90カ国以上で承認されており、これまで世界中で269,500人以上の男性に処方されています(11,12)

 

ヤンセンについて

ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。

 

参考文献

1. Boegemann et al.「化学療法未治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん患者におけるアビラテロン酢酸エステルによる実臨床の治療」米国臨床腫瘍学会2017年泌尿生殖器シンポジウム(2月16日~18日、米国、フロリダ州、オーランド)ポスター・プレゼンテーションで発表されたポスター。ASCO GUアブストラクト番号239 最終アクセス2017年2月

2. Rathkopf at al. 「化学療法歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がん患者におけるアビラテロン酢酸エステルの中間有効性分析および長期安全に関する最新情報(COU-AA-302)」

EUROPEAN UROLOGY 2014; 66; p815-825. 最終アクセス2017年2月

3. Ryan C.J., Smith MR, de Bono JS, et al.「化学療法歴のない転移性去勢抵抗性前立腺がんにおけるアビラテロン」N Engl J Med、2013年1月;368(2):p138-148。

4. Ryan C.J. et al. 「化学療法未治療の転移性去勢抵抗性前立腺ガン患者においてアビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとプラセボ+プレドニゾンの比較試験(COU-AA-302):無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の最終総生存率分析」『The Lancet Oncology』2015;16, 2: p152-160。この論文は次のURLから閲覧できる。

http://www.thelancet.com/journals/lanonc/artlcle/PIIS1470-2045(14)71205-7/abstract.

最終アクセス2017年2月

5. Chowdhury S et al.「前立腺がん登録:転移性去勢抵抗性前立腺ガン(mCRPC)のファーストライン治療における実臨床の結果」米国臨床腫瘍学会2017年泌尿生殖器シンポジウム(2月16日~18日、米国、フロリダ州、オーランド)ポスター・プレゼンテーションで発表されたポスター ASCO GUアブストラクト番号212

最終アクセス2017年2月。

6. GLOBOCAN 2012「2012年における世界のがん罹患率、死亡率および有病率推計」

世界保健機構、国際がん研究機関

http://globocan.iarc.fr/Pages/factsheets_cancer.aspx.

7.  2016年のがん統計予測 国立がん研究センターがん対策情報センター

8. ZYTIGA®製品概要書(2017年2月7)次のサイトで公表されている

http://www.ema.europa.eu/docs/en_G8/document_library/EPAR=_ Product_lnformation/human/002321/WCS001128S8.pdf.。

最終アクセス2017年2月

9. Hoy, SM. et al.「アビラテロン酢酸エステル:転移性去勢抵抗性前立腺がん患者における他の治療薬との併用のレビュー」Drug 2013;73: 2077-2091. 最終アクセス2017年2月

10. Ritch, CR. Cookson, MS. 「去勢抵抗性立腺がん治療の進歩」BMJ 2016年10月17日;355:14405.DOI:10,1136/bmj.14405最終アクセス2017年2月

11. Ye, D. A 「中国、マレーシア、タイ、ロシアの化学療法歴のないmCRPC患者を対象とするアビラテロン酢酸エステルの第III相、二重盲検、無作為化プラセボ対照有効性及び安全性試験」Asian Journal of Urology 2017年.Doi.org/10.l016/j.ajur.2017 .01.002。最終アクセス2017年2月

12. Zytigaアセットポータル 以下ウェブサイトで公開されている。

https://janssenassetexchange.com/Zytiga/Home.aspx. 最終アクセス2017年2月