ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下ヤンセン)は2017年3月2日より、成人期ADHD(Attention Deficit Hyperactive Disorder:注意欠如・多動症)当事者のためのタスク管理サポートアプリ『AOZORA』(An Organizer for Optimizing Routine Activities)のサービス提供を開始します。『AOZORA』」は、「服薬」、「通院」、「To Do」が登録でき、一連のタスク管理をこのアプリひとつで行い、成人期ADHD当事者によく見られる不注意による”うっかりミス”を減らすようにします。また、「セルフチェック」では、「仕事(課題)」、「日常」、「対人関係」の項目で事前に目標設定を行い、その達成度合いを定期的に振り返ることができます。
ADHDの有病率は、子ども(6~17歳)の約5%、成人(18~60歳)の約2.5%と言われています*1。不注意や衝動性、多動性のために、他人から誤解を受けることがあり、「怠惰」や「協調性のなさ」、「努力不足」などと指摘され、自己肯定感が低くなる場合があります。ADHDの方がより良い生活を送るためには、まず得意なことと苦手なことが何かを自分で把握することが重要です。ADHDの方は、時間管理や物事の優先順位付けが得意ではありません。どの作業をいつから始めたら良いのか、どのくらいのペースで行えば良いのか、どのタイミングでやるべきなのかなど、スケジュールについての具体的な指示があると作業を進めやすくなります。大切なのは、「確認できるしくみ」を作ることであり、タスク管理サポートアプリがその役割を果たしてくれます。
ヤンセンはアジアパシフィック地域において、精神疾患領域における包括的な取り組みである「ヘルシーマインド」プログラムを展開しています。同プログラムは、医療制度を強化するための協働イニシアティブ、精神疾患に対する社会的影響や偏見の撲滅、および患者さんのケアに携わるすべての人々に対する教育などの重点分野から構成されています。スマートフォンアプリ『AOZORA』は、この「ヘルシーマインド」プログラムの一環として、成人期ADHD当事者の多くが適切な治療とともに社会生活をしやすくするために開発したものです。
参考文献
*1 DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル
■『AOZORA』アプリ開発の監修
奈良県立医科大学 看護学科 人間発達学 教授 飯田 順三先生より
成人期ADHDの方は就労していたり、主婦業をしていたりする中で日常生活に困難さを感じています。しかし、具体的に困っていることについて、明確にできなかったり、できてもすぐに忘れてしまうことがあります。このアプリではその困っている内容を具体的に明らかにすることができ、自分の状態をきちんと把握することができます。そして、そのことで治療目標が明確になり、治療へのモチベーションを高めることができます。
医療法人ひまわり 岡崎駅はるさきクリニック 院長 段野 哲也先生より
成人期ADHDでは、その症状として時間管理を含む生活の管理が非常に困難になることも多く認められますが、本人が症状として自覚する事がない場合も多く、結果的には服薬継続や改善度の自覚にも影響を与えてしまいます。このアプリは、少しでも楽に患者さんに自身を知って治療に積極的に参加していただける助けになると思います。
■スマートフォンアプリ『AOZORA』概要
サービス名称 : AOZORA
提供会社 : ヤンセンファーマ株式会社
監修 : 奈良県立医科大学 看護学科 人間発達学 教授 飯田 順三先生
医療法人ひまわり 岡崎駅はるさきクリニック 院長 段野 哲也先生
制作・運営 : 株式会社ウェルビー
利用方法 :Google Play (Android)または、App Store (iPhone)からアプリをダウンロード
※いずれの場合も、株式会社ウェルビーが運営する「Welby ID」への会員登録が必要となります。
利用料金 : 無料
主な機能 : カレンダー、マイタスク(服薬、通院日、To Do)、セルフチェック、服薬記録
以上