* 当資料は、米国のヤンセンファーマ株式会社が2016年11月16日(現地時間)に発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳(要約)したものを、参考資料として発表させていただくものです。従いまして、必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。
また、正式言語が英語であるため、内容につきましては英文リリースが優先されます。
英文サイト: http://www.janssen.com/new-phase-3-monotherapy-study-sirukumab-versus-humira-and-sirukumab-data-anti-tnf-refractory
米国 ワシントンD.C.(2016年11月16日)―ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメントは本日、中等度から重度の活動性関節リウマチ患者の治療を目的として開発中のヒト型抗インターロイキン(IL)-6モノクローナル抗体製剤シルクマブの皮下投与における有効性及び安全性を評価する2つの主要な第Ⅲ相試験の結果を米国リウマチ学会年次総会(ACR)にて発表しました。
第Ⅲ相試験のひとつである、SIRROUND-H試験、アダリムマブ単剤投与の患者と比較して、シルクマブ単剤投与の患者では、主要評価項目のひとつである疾患活動性スコア(DAS28※1)が有意に改善したことを示しました。また、SIRROUND-T試験の結果、抗TNF製剤による治療に対して効果不十分または忍容性がない患者にシルクマブを投与したところ、プラセボ群と比較して活動性関節リウマチの徴候および症状に有意な改善が見られました。シルクマブは現在、中等度から重度の活動性関節リウマチを有する成人患者の治療を目的とした皮下投与製剤として、欧州や米国、日本において承認申請が行われています。
シルクマブとアダリムマブの単剤療法を比較したSIRROUND-H試験では、主要評価項目のひとつである24週目のDAS28※1のベースライン値からの平均変化量が、シルクマブ50 mgの4週間隔投与群とシルクマブ100 mgの2週間隔投与群で、それぞれ-2.58および-2.96であり、平均変化量が-2.19であったアダリムマブ40 mg の2週間隔投与群と比較して有意な改善が見られました(それぞれp = 0.013および< 0.001)。もうひとつの主要評価項目である24週目におけるACR50※2改善を達成した患者の割合は、シルクマブ50 mg群、100 mg群、アダリムマブ群で有意差は見られなかったものの(それぞれ27%、35%、32%)、いずれの治療群でも臨床的改善が見られました。有害事象の発現率は、シルクマブ50 mg群で57%、100 mg群で64%、アダリムマブ群で55%でした。重篤な有害事象の発現率は、シルクマブ50 mg群で7%、100 mg群で3%、アダリムマブ群で4%でした。なお、本試験には日本人は参加していません。
抗TNF製剤による治療に対して効果不十分または忍容性がない患者を対象とした SIRROUND-T試験では、試験の主要評価項目である16週時点におけるACR20※3改善を達成した患者はプラセボ群では24%であったのに対し、シルクマブ50 mg群では40%、100 mg群では45%でした(プラセボ群に対し両群でp ≤ 0.001)。試験に参加した患者の約40%が過去に抗TNF製剤以外の生物学的製剤による治療を受けていました。52週の試験期間における有害事象および重篤な有害事象の発現率はシルクマブ50 mg の4週間隔投与群(それぞれ80%と14%)とシルクマブ100 mgの2週間隔投与群(それぞれ81%と13%)で同程度でした。24週目まで死亡は報告されませんでしたが、52週目までに5例の死亡が報告されました(シルクマブ50mgを4週間隔投与群で2例、シルクマブ100mgの2週間隔投与群で3例)。
※1 DASのスコアは、関節リウマチの患者さんの現在の活動性や症状の程度をあらわすもので、治療効果を判断するための指標になります。DASには、44カ所の関節を調べるDAS44と、28カ所の関節を調べるDAS28があり、日常の診療ではDAS28がよく使われています。
※2 治療前から50%以上改善したということです。数値の大きさは治療前後における改善度を示します。
※3 治療前から20%以上改善したということです。
SIRROUND 臨床試験について
SIRROUND試験は、以下の成人関節リウマチ患者群を対象に行った5つの国内・国際共同臨床試験で構成されます。
D試験: 疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)に対して効果不十分であった患者群。
T試験: 抗TNF製剤に対して効果不十分または忍容性がない患者群。
H試験: メトトレキサートに対して効果不十分もしくは忍容性がない患者群。
M試験: メトトレキサートもしくはスルファサラジンに対して効果不十分であった日本人の患者群。
LTE試験: SIRROUND-D試験とSIRROUND-T試験を完了した患者群対象の長期試験。
シルクマブについて
シルクマブは、ヒト型抗IL-6 IgG1kモノクローナル抗体であり、関節リウマチのようなIL-6が関与している炎症・免疫疾患の発症メカニズムに作用しその炎症状態を抑制します。2011年12月、ヤンセンとグラクソ・スミスクラインはシルクマブのライセンス供与と共同開発に関する契約を締結しました。この契約により、ヤンセンは、アジア太平洋地域、欧州、中東、アフリカに独占販売権を持ち、グラクソ・スミスクラインは、北米、中米と南米における販売権を保持します。
関節リウマチについて
関節リウマチは慢性の全身性炎症疾患で、疼痛、関節腫脹、こわばり感、関節破壊、関節障害を特徴とします。世界中で2,350万を超える人々がこの疾患に罹患していると推定されています。
ヤンセンについて
ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。
将来予測に関する記述の注意事項
本プレスリリースには、製品の開発、入手可能性、規制認可に関して1995年の米国民事証券訴訟改革法で定義される「将来予測に関する記述」が含まれています。本リリースをお読みになる皆さまは、将来予測に関する記述内容に依存することのないようご注意ください。また、本記述は、将来の事象に関する現時点での予想を基礎としています。基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは未知のリスクや不確実性が具現化した場合、実際の結果がヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメントおよびジョンソン・エンド・ジョンソンの予想や見通しとは実質的に異なるものとなる恐れがあります。リスクや不確実性には、臨床的成功や規制当局による承認の取得に関する不確実性を含む新製品の開発に本来伴う諸課題、製品販売上の成功に関する不確実性、技術的な進歩、競合他社による新製品や特許の取得を含む競争、特許に関する問題、グローバルな医療改革を含み適用される政府の法律や規制の変更、医療費抑制の潮流などが含まれますが、これらに限定されるものではありません。 これらのリスクや不確実性およびその他の要因については、2016年1月3日に終了した会計年度のForm 10-Kに記載されているジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書とその添付書類第99号および米国証券取引委員会への追加提出書類に詳述されています。 これらの提出資料につきましては、インターネット(www.sec.gov、www.jnj.com)でご覧いただくか、ジョンソン・エンド・ジョンソンにお問い合わせください。 ヤンセンファーマ株式会社およびジョンソン・エンド・ジョンソンはいずれも、新情報や今後発生する事象および事態の進展があった場合も、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
*1 Centers for Disease Control and Prevention. Rheumatoid Arthritis (RA). Available at: http://www.cdc.gov/arthritis/basics/rheumatoid.htm. Accessed August 16, 2016.