~統合失調症の急性期にみられる症状をよりリアルな形で疑似体験~
ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン)は2016年5月16日より、統合失調症の疾患教育ツール『バーチャル ハルシネーション』をリニューアルし、疾患啓発サイト『メンタルナビ』(http://www.mental-navi.net/)にて公開を開始します。
今回リニューアルした『バーチャル ハルシネーション』では、統合失調症の急性期にみられる症状をよりリアルな形で疑似体験できるよう、「軽蔑、嘲笑、命令してくる幻聴」、「行動を予言してくる幻聴」、「生活音に重なって聞こえてくる幻聴」、「過度におだててくる幻聴」の4つの代表的なパターンとして実写版ムービーで紹介します。内容に関しては、認定NPO法人 地域精神保健福祉機構(COMHBO)様、財団法人 精神・神経科学振興財団 理事長の髙橋清久先生から監修のご協力をいただきました。
統合失調症は、およそ100人~120人に1人がかかるといわれており、厚生労働省の患者調査(平成23年)によると、日本国内で約70万人といわれています。症状は、幻覚や妄想などの「陽性症状」、意欲の低下などの「陰性症状」、臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」に分けられます。「幻聴」、「妄想」などは、周囲の人にとっては、症状が分かりづらく正しく理解されないことがあります。疾患への理解が進むことで、周りの人の「わからない」、当事者の「わかってもらえない」というお互いのストレスを軽減することができ、また、周りの人がどういう仕方で協力すれば良いかが分かり、そのことが病状や経過に良い影響を与えます。
ヤンセンはアジアパシフィック地域において、精神疾患領域における包括的な取り組みである「ヘルシーマインド」プログラムを展開しています。同プログラムは、医療制度を強化するための協働イニシアティブ、精神疾患に対する社会的影響や偏見の低減、および患者さんのケアに携わるすべての人々に対する教育などの重点分野から構成されています。これは、精神疾患を抱えるすべての人々が最適な治療を受け、偏見のない生活を送ることができる社会の実現のために、アジアパシフィック地域において、当社のメンタルヘルスに対するビジョンを伝えるための活動です。『バーチャル ハルシネーション』は、この「ヘルシーマインド」プログラムの一環として、統合失調症への理解を深めることで、社会的偏見が軽減され、当事者の多くが適切な治療とともに社会生活がしやすくなることへつながることを期待しています。
【バーチャルハルシネーション ストーリー概要】
ストーリー1:軽蔑、嘲笑、命令してくる幻聴
浪人生で予備校に通っているご本人がお昼にコンビニエンスストアへ買い物に行きます。店内で何を買うか考えていると、突然幻聴が聞こえてきます。幻聴は、ご本人が買うものなどを指示して命令してきます。また、幻聴はご本人しか知りえないことを次々と言ってきます。ご本人は、はっとして周囲のお客さんから、嘲笑われ、軽蔑されているような感覚に陥ってしまいます。
ストーリー2:行動を予言してくる幻聴
統合失調症のため、なかなか仕事が続けられなかったご本人が、やっと就けた新しい仕事を始めました。仕事ミスしないようにと思えば思うほど、ご本人の緊張は強くなります。「失敗しないかな…」というご本人の不安をまるで見透かしているかのように、「失敗する」と予言してくる幻聴が聞こえてきます。幻聴にだんだんご本人の思考が支配され、ついにご本人自身の中に幻聴そのものが侵入してきてしまいます。
ストーリー3:生活音に重なって聞こえてくる幻聴
水の音、換気扇の音、ドアの開け閉めの音など、日常でよくある生活音に紛れ込んで幻聴が聞こえてきます。母親の洗い物をしている水の音に紛れて、ご本人の名前を呼ぶ声が聞こえます。しばらくして寝ようとすると、今度は留守のはずの下の部屋からテレビの音が聞こえてきます。
ストーリー4:過度におだててくる幻聴
ガソリンスタンドでアルバイトをしているご本人に「君は大統領の友達だよ」などと、現実にはありえないことを言っておだててくる幻聴が聞こえます。通常であれば、そのようなはずはないと思うのですが、統合失調症の方では、幻聴がご本人の思考へと伝播していき、やがて「自分は大統領の友達だから会いに行かなくてはいけない」と誤った考えをしてしまいます。そして、こんなことをしている場合ではないと、アルバイト中であるのに仕事を放りだして実際に会いに行くという行動を起こしてしまいます。
ヤンセンについて
ヤンセンは、病気のない世界を実現するために日々努力しています。今までにない、より良い方法で疾患を予防・撲滅・治療・治癒し、人々の命に貢献することが私たちの望みです。そして、常に患者さんのことを考え、最も有望なサイエンスを追及しています。私たちヤンセンは、人々の希望と命を明日につなぐため、世界中とコラボレーションしています。さらに詳しい情報はwww.janssen.com/japanをご覧ください。